大言小語 入り口をつくる
住宅新報 2026年8月18日 号 1面
連載: 大言小語
最近、「なぜそこまでやるのだろう」と思う取材が続いた。農園を運営する不動産会社、スポーツ・文化活動を支援する会社、地域イベントを自ら企画するネットワーク。どれも本業から少し離れた取り組みに見える。だが、話を聞くうちに、それらは決して「寄り道」ではないと気付いた。
▼共通していたのは、「入り口」をつくろうとしていることだ。商品を売る前に会社を知ってもらう。住まい探しの前に地域とつながる。相談を受ける前に信頼を積み重ねる。その入り口が農園であり、ダンスであり、花火大会だったというだけのこと。本業の周辺に、新しい接点を生み出そうとしていた。
▼もちろん、これが唯一の正解ではない。広告を打たず、紹介だけで顧客を広げる会社もあるだろう。独自の技術や専門性だけで選ばれる企業もある。それもまた一つの戦略である。要は、自社はどこで顧客と出会い、何を入り口に選ばれるのか。その理由を自ら語れるかどうかではないだろうか。















