Pick Up!
- オリックス銀寺元新社長、足元の市況好調も〝金利ある世界〟への対応を意識
- 23区の中古マンションが初の1億円突破、埼玉県では一服感も
- 三菱地所の葛飾区再開発で地域密着型の商業施設が9月開業
1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。
初めにご紹介するのは、2位の「オリックス銀行 寺元寛治 新社長に聞く 金利上昇も投資家意欲高く 新築減り、中古主流に(2025/6/24号)」です。日銀の方針変更以来、住宅ローン金利が何かと話題に上がりやすい印象ですが、不動産投資ローンに強みを持つ同銀行の新トップインタビューにも、やはり大きな関心が寄せられました。入居率や家賃の上昇を背景に投資家の意欲は旺盛で、不動産価格の上昇で物件売却による利益確定の動きもあることから、寺元新社長は昨年度について「マーケットは好調な1年だった」と話しています。また、建築コストの上昇で中古物件への投資が主流になってきていることから、既存物件の流通と、それに伴う融資の活発化につながっているようです。投資家の利回りも現状は安定している一方、同銀行として本格化する〝金利ある世界〟への対応を重視する方針も示しており、今後の見通しを決して楽観視していない様子もうかがえました。この〝金利ある世界〟への対応は、あらゆる住宅・不動産関連事業者にとって、今後の共通のテーマと言えるでしょう。
次は、8位の「東京23区の中古マンション価格、初の1億円台 東京カンテイ調査(2025/6/24配信)」です。都心部では、新築マンションと共に中古マンションも高騰が続いていますが、今回の大台突破は一般の報道などでも大きくクローズアップされました。マンション好適地の希少化や新築マンションの高額化に伴い、首都圏市場では中古マンションの存在感が高まる一方。必然的に、新築との価格差も縮小傾向にありますが、東日本レインズによると、24年の首都圏中古マンションは成約件数も2年連続増で、ニーズの受け皿としての活発な取引が行われている様子です。他方、都県別で見ると、今回埼玉県では価格が横ばいとなり、これまでの上昇傾向に一服感が見られました。やはり、高額化が進み過ぎると主要な実需層の購買力を超えてしまうため、ローン金利の上昇傾向も加味すると、郊外では物件価格の天井も近いのかもしれません。今後も、富裕層からのニーズの強い都心物件と、実需層向けの郊外物件で、中古市場も二極化が進んでいきそうな動向を示す調査結果となりました。
最後は、4位となった「三菱地所、葛飾で市街地再開発第1期を9月開業 地元密着商業施設(2025/6/25配信)」を取り上げます。三菱地所などが東京都葛飾区で進めている「東金町一丁目西地区市街地再開発事業」、街区名「クロス金町」において、商業施設「マークイズ葛飾かなまち」の開業日が9月に決まったというニュースです。今回開業する商業施設は、「マークイズ」シリーズとしては都内初、全国4施設目。同再開発は、商業施設と自動車教習所を中心とする1期開発と、住宅棟・商業棟・公共施設からなる2期開発を計画する大型複合再開発であり、街の刷新や活性化と共に、地域と共に長く歩む街区を目指す姿勢を強く押し出しています。7月1日に発表された25年路線価や、3月の地価公示でも、都市部の再開発は地価上昇の主要な要素の一つとして各地で言及されており、同再開発も各方面から注目されている様子がうかがえます。