60歳からの住宅ローン【リ・バース60】累計申請件数1万件突破

様々な不動産情報が盛り沢山!

スタンダード会員限定タムラプランニング&オペレーティング社長 田村明孝氏

連載: 常日頃

介護付き有料老人ホームや高齢者住宅などの開設・運営コンサルタント会社として87年9月に創業した。これまでの開設実績は約30棟。市場調査の依頼は年間10~20件。近年は再び新規参入企業からの依頼が増加傾向にあるという。コンサル会社の使命は「20年先でも通用する商品を開発すること」と言い切る。そのためにも欠かせないのが北欧の視察だ。「施設から住まいへ」の大きな潮流を学ぶことができる。ほかに高齢者住宅への入居相談、データベースの販売、講演・出版などを主な業務としている。

 

施設から住まいへ 北欧に視る介護の真髄

 --スウェーデンとデンマークへの視察は創業以来毎年実施されていますが、参加状況は。

 「今年で24回目になるが、参加者が集まらず中止したことは一度もない。最近はまた関心が高まっているようで、今回は総勢20人の大所帯で行く」

 --視察の主な狙いは。

 「終末のターミナルケアはどうあるべきか、というのが大きなテーマとなる。日本でも、最期は病院ではなく自宅でという希望が増えている。特にこれから高齢者になっていく団塊の世代はそうだ。施設ではなく自宅で家族に見守られながらと考えている」

 「日本人は北欧の国はどこも同じような福祉国家というイメージを抱いているが実は違う。例えばスウェーデンは国として福祉のあるべき姿を決めていくが、デンマークはあくまでも個人の自主性を重視する。どうしたいのか自分で判断して下さいとなる」

 --視察した成果を日本に帰ってから職場で発揮できるものですか。

 「参加者が1人だとなかなか難しい。報告書を書いても、『これはスウェーデンかぶれだ』などと見られがちだ。だから出来れば2人で参加してもらいたい。2人がそれぞれの視点で報告してもらうと成果を伝えやすい。また、1回ではなく2回行くと本人の理解も深まるので本質を正確に伝えることができる」

 --介護の現場にいる人が北欧を視て、一番参考になることは。

 「高齢者と接するときの温かさが日本とは本質的に違う。なぜなら北欧では認知症がどういうメカニズムで発症するのか、発症するときには医療はどう関わるのか、医療の診断がいかに重要か、早く診断して早く対応することでどういう効果が得られるのかなどを徹底して勉強する。政府が認知症のタイプを70以上に分類・整理してそれぞれのタイプ毎に接し方を学べるようにしている。例えばあるタイプの認知症だと3か月後、半年後にはこういう行動に出るかもしれないとそこまで理解している。だから、横に座っているだけでなんともいえない落ち着いた雰囲気をつくり出すことができる。しかし日本では認知症の高齢者がどうしてそういう行動をするのか、そのメカニズムを十分理解できないままで介護の仕事に出されてしまうことが多い」

 --介護施設の開設コンサルタントとしては草分けだと思いますが、どういう点に苦労しましたか。

 「当時はコンサルティングというビジネス自体、日本にはなかった。だから実際には成功報酬。事業化できたらフィーをもらうという格好だった。それでもハードの建設面と、ソフトの運営面を私なりに融合させてコンサルしてきた。狭い業界だが、なるべくいろいろな会社と関係を持ちながら日本では唯一色の付いていないコンサル会社としてやってこれたことがよかったと思う」

 --日本の高齢者住宅は今後どうなっていくのでしょうか。

 「団塊の世代が65歳以上になっていく15年、75歳以上になる25年までにどこまで整備されているかとなるとかなり心もとない。介護保険の居宅介護が充実してきてヘルパーの数が3倍になれば24時間のカバーもできるが、日中だけの訪問介護だと介護度が重くなれば結局施設に入らざるを得ないので施設が足りなくなる」

 --需要があるということでコンサル依頼が増えますね。

 「ただ日本では依然としてコンサルを受け入れる風土を持った企業が少ない。学ぶのではなく、既存のものを見てきて同じものをつくるというスタイルの繰り返しだ。それだと、10年、20年後には競争力のない施設になってしまう。今から20年後のニーズを把握したものをつくらないとやっていけなくなるのがこの世界の厳しさだ。コンサルを活用してもらえればもっといい商品がつくれる」

 --施設から住まいへの流れをどう実現させるかがポイントですか。

 「スウェーデンはそれに成功した国の一つだ。92年にエーデル改革が行われ、医療と介護・福祉の連携を整備しロスを少なくした。具体的には医療で扱っていた老人病院や老人ホーム的なものを全て市に渡して、市が住宅として提供することにした。住宅として機能させることで、そこに暮らす人たちの自主的能力を引き出すことが出来た。それによって介護費用を削減できた」

 --日本でも今後大きな改革がなされそうですか。

 「施設を住まいに変えていくという厚労省の基本方針は変わらない。大きな進展があるとすれば団塊の世代がこんな施設は嫌だと言い出すときだろう」(笑)

 --お金のある人だけでなく、普通の所得階層の人でも入れる住まいをどう整備するかだと思いますが。

 「誰でも入れて、誰にとっても望ましいものをどうやってつくるかだ。そのためには従来の市に対する補助金や交付金ではなく事業者への直接融資の方が、国としても高齢者住宅の供給計画を実行して行きやすくなると思う」

 --現時点で全ての施設を足しても要介護者向け居室数は119万室しかないのですね。

 「当社がこのデータを発表して初めてその実態が明らかになった。これはあくまでもハードの話だが、そこで求められるサービスの提供プランも整備する必要がある」 (聞き手・本多信博)

 

<会社概要>

所在地=東京都千代田区神田錦町1-13宝栄錦町ビル601

電話=03(3292)1107 創業=87年9月

資本金=2000万円

社員=9人

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス