競売不動産取扱主任者 8月1日より申込受付開始 試験日2026年12月13日(日)

様々な不動産情報が盛り沢山!

スタンダード会員限定アッパーウエスト社長 熊坂仁美さん

連載: 常日頃

「真実は現場にある」--。ある商品を購入した顧客を訪ね、満足度を聞く。購入に至る経緯や決断した理由なども聞き、それを販売会社のホームページ(HP)に掲載する。企業が自ら商品をPRするよりも第三者が実際の購入者を取材した方が真実味がある。この「取材屋稼業」が今、注目を集めている。

 

『取材屋』が大繁盛 不動産分野で新展開

 --企業がクライアントですから、第三者による取材といっても完全に中立というのは難しくありませんか。

 「何事にも完全はない。私たちが売っているのはあくまでも『取材力』。企業が直接OB客を取材して自社のHPの『お客様事例紹介コーナー』に掲載しても説得力がないし、新規客が本当に知りたいことを聞き逃すこともある。プロの取材屋なら、購入を検討している客の心を動かす『ツボ』を心得ている」

 --第3者あるいは専門家による評価で商品をアピールする手法は、テレビのグルメ番組などにも見られますね。『料理の鉄人』が出てきて太鼓判を押す店を紹介するアレです。そうした時代のトレンドをビジネスにした取材屋の将来性をどう見ていますか。

 「極めて有望だと思う。職種や業種を問わない幅広いビジネスでもあるからだ。ただ、こうした顧客事例紹介手法の先進国である米国では最近、年に何百人、あるいは何千人というお客に売っているのに、その内の1人だけを取材させて、すべてがこうだというイメージを提供させることを禁止する動きがあるとも聞いている」

 --いかにもアメリカ的話ですね。でも日本ではそこまで厳密に考える必要はなくて、要するにいかに説得力のあるコメントをOB客から引き出すかが取材屋の腕の見せどころということでしょう。

 「そのためには基礎的な取材力だけではなく、それぞれの業界にある程度精通してツボを得た取材ができなければならない。現在は10人ほど取材スタッフを抱えている。依頼が最も多いのはIT業界だが、最近は不動産業界も増えている」

 --クルマは?

 「1件もない。なぜかというと、取材屋に向いているのは目に見えない商品だからだ。クルマはその車種で性能や機能が分かる。ITが一番多いのはシステムは見えないからで、実際に購入して使っている人の評価が大いに参考になる」

 --不動産は見えているのでは。

 「不動産のように高額なものになるほど、物件というより誰から買うかということが重要になってくる。特に仲介の場合にはどこの業者に行っても物件は同じだから、営業マンの人間的部分が決め手になる。購入を決意させるには営業マンの人柄や提案力が勝負となる。そうした目に見えない要素をアピールすることが今後の不動産業界では大切になるのではないか」

 「ある不動産会社が取材リポートをホームページに載せたら、従来はポータルサイトからの物件問い合わせがほとんどだったのに、週に2~3件はHPからの直接問い合わせがくるようになったという」

 --不動産会社のHPには最近営業マンのプロフィルやブログが載っていますが、それも自らの発信という限界があるわけですね。

 「そうだ。自分で自分をPRするよりも、実際に購入したお客さんの評価の方が真実味はある」

 --今後の事業計画を教えてください。

 「いろいろな発展形があると思う。例えば、アパートオーナーの依頼で、リノベーション物件に入居している人から実際の住み心地を聞く。それを管理会社やリノベーション会社のホームページで紹介したらどうかと考えている」

 「あるいは今年、実際にある不動産業者と提携して始めるが、特定エリアの物件紹介に取材屋の力を発揮させる。従来のように写真と間取りだけで紹介するのではなく、実際にその町に住んだ場合の生活シーン、マンションの場合には管理状況やコミュニティーの実態などもリポートしていく。その情報を会員だけが見ることができるサイトに掲載していく」

 --会員制といっても無料ですよね。

 「もちろん、そう。ただメールアドレスを登録してもらって、そのエリアで新たな売り物件が出るたびに生の情報を提供していく」

 --そうした手法を採用する不動産会社が増えれば、取材屋は大忙しとなりますね。

 「その通り(笑)。ただし、本当にビジネスとして定着させていくためにはネガティブ情報も隠さないという姿勢が重要だ。従来の不動産物件情報と差別化する大切なポイントになる。だから、そこを理解していただける不動産会社と提携していきたい」

 (聞き手・本多信博)

 

<会社概要>

住所=東京都中央区築地7-8-10-704電話=6278-8995 設立=05年7月 事業内容=販促ツールやHP制作、「お客様事例」紹介など

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