開発・企業

全国初の「庁舎一体型マンション」、豊島区で起工式開催

 東京建物が参加組合員として参画している「南池袋二丁目A地区市街地再開発組合」は2月2日、豊島区役所新庁舎と分譲マンションの一体開発となる建物の起工式を開催した。
 建設地は日出小学校跡地を含めた再開発エリアで、8324平方メートルの広さ。1階と2階には店舗と事務所が入り、3~9階の下層階が豊島区新庁舎、11~49階の中・高層階がマンションとなる。自治体の本庁舎が、マンションと一体開発されるのは全国初だ。高野之夫豊島区長は、「(マンション分譲を担当する)東京建物と首都圏不燃建築公社の協力のおかげで、計画通りに事業を進めることができている。次世代に引き継ぐ庁舎を建設したい」と話している。
 2015年3月竣工予定の同建物は、東京地下鉄有楽町線東池袋駅に地下で直結する。JR山手線ほか池袋駅には徒歩8分だ。住宅戸数は約430戸で、地権者住戸を除いた約320戸を販売する。ファミリータイプが中心で、価格は未定。13年1月にモデルルームをオープンする。
 設計は、大手設計事務所の日本設計と世界的建築家の隈研吾氏、ランドスケープアーキテクトの平賀達也氏が協働で手掛ける。ファサードには、樹木の葉のように建物を覆う「エコヴェール」を採用。緑化、日よけルーバー、太陽光発電パネルなどを、エコヴェールを構成する「葉(パネル)」にみなす。特に新庁舎部分では、屋上部分などを活用した「豊島の森」なども計画し、庁舎部分においてCASBEE(建築環境総合性能評価システム)の最高ランクであるSクラス評価を目指す。
 なお、構造は10階部分に「中間階免震」を採用する。