投資

三菱地所、ワイヤレス給電のスタートアップ企業に出資

 三菱地所は10月16日、米国・スタンフォード大学発のスタートアップ企業で空間伝送型ワイヤレス給電ソリューショを提供するエイターリンク(東京都千代田区)に出資したと発表した。出資額は非公表。三菱地所は東京・丸の内エリア全体をプラットフォームと捉え、テナント個社単独では実現しにくい取り組みをエリア全体で提供する「まちまるごとワークプレイス」構想を推進し、イノベーションが生まれ続けるエコシステムの形成に、まち全体で取り組んでおり、今回の出資もその一環。

 同社によると、ワイヤレス給電(マイクロ波方式)とは、電源ケーブルや電池を使用せず、長距離に電力を空間伝送する技術で、既にファクトリーオートメーション用途などで実用化されているという。同技術を活用することで、オフィスやホテルでの環境センサー等の設置時に配線工事が不要となり、工事費や資材を削減できるほか、センサーの配置自由度の向上や電池交換の工数削減などが期待できる。
 

 出資に先立ち、両社は、2022年4月~2023年3月に大手町ビルのイノベーション施設「Inspired.Lab」内で実証実験を実施した。ダクトレールに送信機を設置し、机の裏に取り付けた小型温度センサーへのワイヤレス給電を行い、取得したデータを空調機と連携させる有用性の検証を行った。レイアウト変更が多いフリーアドレスオフィスでも配線工事なしにセンサーを追加できるなど有用性を確認できたため、同技術の活用深化に向けた実証拡大・連携強化を目的として、出資を決定した。