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 今は、転職が当たり前の世の中となってきました。自分のキャリア計画や、将来「ありたい姿」に合わせてステップアップしたり、仕事を変わる方もいらっしゃることでしょう。

 さて、会社や仕事をいくつか変わった経験のある方はお分かりかと思いますが、その職場や職種によって、雰囲気や風土、慣習などがかなり異なるものです。極端な例では、以前の職場では〝良〟とされていたことが、新しい職場では〝悪〟と評価されるほど慣習が異なることもあります。私の会社でも中途採用を基本としているため、採用したばかりの新しいスタッフの仕事のやり方に少なからず驚くことがあります。

 例えばあるスタッフは、仕事が終わって終業時間になっても1時間も2時間も帰らないので理由を尋ねると、「前の会社では、残業はすればするほど喜ばれました」と言うのです。基本的に、〝仕事は時間内で終わらせる〟というのが当社のルールだと説明したところ、彼女自身も、「へえ、カルチャーショックです!」と驚いていました。また、〝何でも自分で考え、積極的に行動する〟という当社のスタンスに、ある大企業の役員秘書をしていたスタッフは、「自分で考えて行動するなんて! 本当にやってしまっていいんですか?」と、こちらもかなり驚いていました。

 

ベテランほど注意

 こんな風に分かりやすい事例だとよいのですが、困るのは、仕事をする上での細かい部分や、仕事自体のとらえ方が、微妙にその会社ごとに異なること。自分では、「当たり前」だと思っていたことが全く逆で、「迷惑」になってしまうこともあるのです。また、先ほどの事例のように、初めて就職した会社や長く勤めた会社の社風や考え方に、知らぬうちに染まってしまっていることもあります。これは、ベテランほどありがちで、仕事に対する自信や経験もできています。そのため、自分が慣れ親しんだスタイルに固執してしまい、「この会社のやり方は、間違っている」などと感じてしまうことや、中には、ごくわずかですが自分のやり方を新しい会社に「理解させ、浸透させよう」などという暴挙に出る方もあります。こうなると、新しい職場でよい人間関係を作ろうと思っても、仕事のやり方の違いが前面に出てしまい、関係作りがスムーズにいかないものです。

 〝郷に入れば、郷に従え〟という言葉があるように、まず、自分が新たな職場のスタイルを踏襲してみて、慣れてみること。すると、それまでは見えなかった「よいところ」や「気づき」もあるものです。改善するのは、それからでも遅くないのです。

 次回は、「縁の下の力持ちに感謝する」ということについて、お話します。

 (たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)

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