〝技術革新〟の最前線で活躍 積水ハウス・南裕介さん①
連載: キラリ☆我が社の星

さて、今回ご登場頂く積水ハウスの南裕介さん(技術部主任・工学博士)は、そうした分野の最前線に立つ人物と言えるかもしれない。総務省「ネットワーク統合制御システム標準化等推進事業」に採択された「スマート・ネットワークプロジェクト」において、積水ハウスの実務を担当しているからだ。APEC開催直前の2010年11月4日にオープンした「実証実験フィールド」(横浜市みなとみらい地区、建物は木造住宅「シャーウッド」)の計画から施工、完成後の見学対応、実証実験、そのとりまとめや報告まで、ほぼすべての業務に携わっている。
話を伺うと、オープンに至るまでの過程において随分と苦労があったようだ。「総務省や横浜市などの行政のほか、代表幹事会社のNTTドコモやNECなど参加企業との調整などにはじまり、今年(2010年)1年はこのプロジェクトに費やしました」。まず、総務省と同社は所管官庁ではないため関係性が薄い。また、設計部や支店など様々な部署の人たちが参加しており、社内でさえこのプロジェクトに対する理解の度合いが異なる。おのずと社内外の調整が重要になるのだ。
難解な専門用語を分かりやすく説明
用語ですら難しい。「通信技術の用語で『フェムトセル基地とホームICTを一体化した』なんていう言葉が出てきますが、住宅の関係者にとってはなかなか理解しづらいものです。こうした技術や用語の理解から、マスコミや見学者へどのように説明するかなどにも注意を払ってきました」。マスコミにいると感じるのだが、どうしても技術的な話は用語が専門化しやすい。それを分かりやすくかみ砕ける能力が重要だが、南さんの話は分かりやすく、さすがだなと感心させられた。
苦労したということの一つに、実験棟の施工がある。実証実験が目的であるため、通常の建物の施工方法とは異なる部分がある。だから、施工に関わる職人さんから、「施工が難しい現場だ!」と問い合わせが来たことも。当然、現場監督の社員はちゃんといる。だが、建物の実験用部分は特殊であるため、南さんが現場にいて対応せざるを得なかったのだ。
「施工中はほぼ毎日現場には行っていましたね。そうすると職人さんたちとすっかり仲良くなれて。完成したときの打ち上げは本当に盛り上がりました」。南さんが現場で使い丸くなった鉛筆の芯が、翌日には職人さんがきれいに研いでいてくれたそう。なんだか、南さんへの信頼と愛情が感じられるエピソードだ。
(住生活ジャーナリスト・田中 直輝)
「住宅新報・2010年11月30日号掲載」













