開発にあたっての重要な〝調整役〟 住友林業・松岡洋輔さん②
連載: キラリ☆我が社の星
(住宅新報・2010年12月21日号掲載)
住友林業の松岡洋輔さん(不動産事業本部まちづくり事業部開発第1グループ主任)は、現在取り組んでいる仕事の魅力について「コンダクター(指揮者)のようなもの」と話す。用地取得から商品企画、設計、工事、販売と各まちづくり案件の一連に関わることから、それらを担当する部署と綿密な打ち合わせが求められる。例えば、用地取得にあたっては、価格、教育、交通、環境、買い物の「5K」の分析に始まって、更に生活利便性といった周辺環境や開発リスクなどを考慮。これに基づきどういった顧客層にどの程度のグレードの分譲住宅を販売すればいいのか、事業計画を立てる。ただ、それでも計画通りに進むとは限らない。
粘り強く交渉
「どの部署でもコストやスケジュールといった課題を抱えており、間に立って調整することも私の仕事です。いうなれば、何ともならないことを何とかする、ということですね」。例えば設計部門であれば、当然いいものをつくりたいと考えるわけだが、そうすれば必ずコストの問題に突き当たる。工事部門でも同様だ。まちづくり事業部がまだ若い組織だからこそ、そのような部署間の主張のぶつかり合いも出てくるのだろう。だから粘り強い交渉ができる調整役が必要となる。
〝何とかする〟ためにどのようなことをしているのだろう。「教えてもらいやすいようにすることを心掛けています。言葉を替えると、自分が困った時に助けてくれるように、設計や工事といった社内の部署はもちろん、設計事務所やゼネコンといった社内外とのリレーションを常にうまく取れるようにすることですね」。
〝ぐいぐいと事業部を引っ張っている〟という社内評がある松岡さんだが、内実は強引なわけではなく関係者への細やかな配慮があるのだと感じられた。「社内外の人達と喜びを共有できること、同じチームとして結果を出せたときが最もうれしい瞬間です」。
同世代のつながり、更に強めて取引を
これからの目標を聞いてみた。住友林業では1年目だが、前職のディベロッパー時代を含めると、不動産業界に身を置いて8年目(32歳)になる松岡さん。「同世代のヨコのつながりを生かした取引や仕事をしてみたいですね」。仲介の現場などで出会った同世代は、それぞれの企業で中堅のポジションとなっている。仕事に野心的になるのも当然のことだろう。定期的に会合を持ち、他社の同世代とそんな話をしているのだという。
松岡さん自身は、「まだクロージングなどの場面で上司の力を仰ぐ場面があり、早く独り立ちしないと、と思っています」と話す。だが、彼らの世代が今よりもっと業界や各企業を牽引できるようになれば心強い。今とはまた違った新しい業界の姿、在り方が見られるかもしれない。何より、住友林業のまちづくり事業の知名度も一層高まることだろう。
「業界に名を売っていきたいですね」。松岡さんは力強く話した。
(住生活ジャーナリスト・田中 直輝)=おわり=













