シニア住宅の提案でニーズを形に 東急ホームズ・大沼健介さん①
連載: キラリ☆我が社の星

中でも注力しているのがシニア向け事業だ。つまり、有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅(高専賃)などの受注活動。こうしたシニア向け事業は、少子高齢化という我が国が抱える問題に対応するため、今後、入居者ニーズの拡大がいわれている。「今期から事業を立ち上げたばかり。細かい知識はまだこれから取得しなければならず、行政の方々やパートナーとなる事業者と協力しながら事業を進めています」
パートナー事業者に対しては、大沼さんが一から事業立ち上げに向けて交渉を行ったそうだ。「まずホームページから情報を仕入れ電話をし、先方との人間関係、担当者レベルのお付き合いから始めました」。何とも〝手作り感〟のあるエピソードだが、事業の立ち上げとは、そのようにコツコツとまずは人間関係から作っていくものなのだろう。
立ち上がり後も、主導的に動いている。土地オーナーへの提案から始まり、案件ごとに自らプランを作成。事業者にヒアリングし、事業の収支計算まで行う。例えば、「初めて、土地オーナーに向けた新聞広告を行った時も手作りのようなものでした。ただ、具体的な案件や相談が当社に寄せられ、改めてシニア事業の認知が高く、求められていることが分かりました」と大沼さんは話す。
オーナーも期待
オーナーが有料老人ホームや高専賃に注目するのには訳がある。それは、空室率が上昇していることから分かるように、賃貸住宅市場がもはや飽和状態にあるからだ。新築の賃貸住宅を建てても、なかなか入居者が決まらないことも最近は多いようだ。そこで、今後も安定的に入居需要が見込まれるシニア向け賃貸となるわけだ。
そしてもう1つ。「駅から徒歩15分以上離れている活用が難しい土地であっても、シニア向けであれば入居ニーズが見込まれることがあります」。そうしたエリアのオーナーに対してソリューション(問題解決策)提案をするのが、大沼さんが今取り組んでいることだ。
不動産会社や他のハウスメーカーなどもこの事業に参入しており、競争が激しくなりつつある。「まずはニーズを取りこぼさないこと。形になりそうな案件も出てきていますし、早く1棟目を受注・完成させることですね。そしてこの事業で安定受注を取ること」。それが大沼さんの当面の目標である。
(住生活ジャーナリスト・田中 直輝)













