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スタンダード会員限定個人オーナー 「被災者に住宅を無償で」 マッチングサイトへ登録続々

住宅新報 2011年4月5日 号 4面

 東日本大震災の被災者に対し、インターネットを介して個人が住宅を無償提供する動きが活発化している。賃貸住宅の空室、1軒まるごとの空き家から自宅の1部屋まで、住居形態は様々。いずれも、「被災者の力になりたい」という個人オーナーの善意に支えられている。

 震災から4日後の3月15日に開設された「ルームドナー」。運営会社バーザリー(横浜市西区)の福崎康平代表は、「個人間で物を貸し借りするウェブ上のサービスを構想していたことから、住宅マッチングサイトの発想に結び付いた」と話す。

 住宅提供者がまず「ドナー」に登録し、住宅の概要や受け入れ条件などを入力。借り手側は、希望に沿う案件のドナーにメールで申請、後は双方で直接やり取りする流れだ。賃料、初期費用は原則無償だが、光熱費の支払いや居住期間など、その他の詳細については当事者同士で話し合って決める。パソコンを利用できない環境を考慮し、携帯電話からのインターネット接続でも閲覧できるようにするなど、被災者の利便性を最大限考慮した。

 4月2日時点で、約1500部屋が登録されている。すでに、宮城県、福島県に居住していた7世帯20人が引っ越しを済ませたという。「交通費も心配しないで」

 政策シンクタンクの第一総合研究所(東京都中央区)が運営するサイト「震災ホームステイ」も、同様の仕組みだ。3月23日に本格始動し、現在までに12件でマッチングが成立、そのうち4世帯の入居が完了済み。橘民義代表が非営利事業として立ち上げたもので、同社の社員12人と社外ボランティア3人が運営スタッフだ。

 登録物件の一覧には、住所や間取りなどのほかに提供者のコメントがずらりと並ぶ。「保育所への入園確約を取り付けました」「生活費、交通費もこちらで負担します」--。中には、「英語塾を開設予定なので、英語を教える事ができる人優先」「ピアノ好きな方希望」など、ユニークな内容も。国内だけでなく、香港や台湾の住宅登録も見られる。

 「予想はしていたが、『困っている被災者を助けたい』と願う個人がこんなに多くいることに、いい意味で驚いている」と話す橘代表。自ら避難所に出向いてチラシを配布し、被災者への告知活動に力を注ぐ。仙台に拠点を置くことも検討中だという。業者不介入のリスク対策

 住まいの提供にとどまらず、受け入れ世帯それぞれの事情や『思い』を伝えることができる点が、こうしたマッチングサイトが支持される理由だ。入居を希望する被災者にとっても選択肢が広がり、今後の暮らしに対する不安の解消に少しでもつながることが期待される。ただ、業者が介在しない個人間の取り引きは、後にトラブルを引き起こす可能性も小さくはなく、せっかくの善意が台無しになりかねない。

 そうしたリスクを最小限に抑える工夫を盛り込んだのが、4月1日に開設されたサイト「仮り住まいの輪」(画像)。関西圏でリノベーションの企画・設計を手掛けるアートアンドクラフトの中谷ノボル代表が呼び掛け、建築・不動産業界の有志が中心となって立ち上げた。

 マッチングの過程は他の2サイトと大きく変わらないが、プロの視点から詳細なガイドラインなどを作成したのが特徴だ。例えば、住宅提供者向けに、「身元確認書類は見せてもらったか」「契約期間が終了した後のことについて決めているか」といったチェック項目を掲載。このほか、使用貸借契約書式などのひな型や賠償保険取り扱い業者一覧表も用意した。今後は物件登録の募集と並行して、サイトの充実を図っていくという。

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