知って得する建物の豆知識(59) ザハ・ハディド
住宅新報 2011年4月12日 号 4面
BMW車テレビCMの背景に、奇妙に歪んだビルが映っているのに気付かれた方も多いと思います。これはライプチッヒにあるBMWの研究センターで、設計者はザハ・ハディド女史です。50年イラクの首都バグダッドに生まれ、ベイルートの大学で数学を学んだ後に英国建築協会付属大学で建築を学んだ才女で、「脱構造主義」の旗手として注目され、現代建築の流れを大きく変えた人物です。バブル象徴「ポストモダン」
近代建築のデザインは、アーツ&クラフツ及びセセッションやバウハウス運動を経て、モダンデザインの泰斗であるコルビジェにより集大成されたと言えます。コルビジェの思想が北欧、ドイツ、日本などの先進国で、「モダン」と感じるデザインとして大衆化したのが50年代、その後しばらくはこのモダンデザイン主流の時代が続きます。70年代に入り台頭するのが、「ポストモダン」と呼ばれるデザイン思想です。
この運動は、当時の哲学界の主流だった「構造主義」と深く結び付いています。構造主義の考えを大雑把に述べますと、文明や文化に通底する「構造」を見つけ出し、それらを組み直して新たな価値観を創出することです。例えば、熱帯雨林に住む未開部族の狩猟における振る舞いと、ウォール街で活躍するヘッジファンド尖兵の振る舞いに通底する部分を取り出して論理化し、文明や文化の在り方を問う学問です。













