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スタンダード会員限定夏の電力不足を乗り切るには 被災地に太陽光発電、遮熱リフォーム 建築分野で提案続々

住宅新報 2011年4月19日 号 4面

 この夏、足りないとされる電力。政府は節電を促すと共に、計画停電を実施する方向で調整中だ。これを受けて、再生可能エネルギーの導入や、冷房対策に着目した提案が挙がっている。

 4月中旬に参院議員会館で開かれた再生可能エネルギー・省エネ技術促進議員連盟では、ドイツ在住の環境ジャーナリスト村上敦氏が、「太陽光発電の日本への提言」を発表。今後数年間、中-大型の発電装置を被災地に集中して設置することを提案した。

 

 村上氏によると、ドイツでは10年度7400MWp(メガワットピーク、Wpは太陽電池の最大出力を表す単位)の太陽光発電を設置し、累計では1万7200MWpに上る。これは、夏の休日の正午前後における電力消費の約4割を賄うことができる規模だという。『ピークオイル』でエネルギー政策転換

 太陽光発電を始め、ドイツが国を挙げて再生可能エネルギーへの転換を進めるのには理由がある。主要な原油輸入元である北海油田が99年にピークオイル(石油産出量の頂点)に到達し、それに伴い、15-20年の間に価格が急騰すると予測したためだ。

 ただ、「国民の多くは賃貸住まい。ライフサイクルコストの概念を含め、環境意識が必ずしも高いわけではない」(村上氏)。そこで政府は、太陽光発電の全量買い取り制度の実施など思い切った政策を展開。それらの成果が、現在表れているのだという。

 これに対して日本の太陽光発電市場は、累計設置量で見るとドイツの5分の1にとどまっているのが現状。村上氏は「今回の震災を機に、何らかの形で変わるべき」と話し、直近の電力危機を回避する短期的な対策として取り組むことを提案した。

 具体的には、非住宅用の発電装置(30-100kWp)を被災地の既存建物に集中設置するのが有効だという。住宅用の小型と比べて、費用対効果の面で中-大型の方が低価格化を実現しやすいためで、「目安は40万円前後。2年以下で30万円以下に下がるのが望ましい」(村上氏)。投資費用のインセンティブとしては、公的または市民ファンドの確立などを挙げた。

 また、雇用効果にも言及。設置に伴う雇用の6割が電気業や工務店、運送業など地元企業に発生するとして、「被災地にお金が回る仕組みができる」と話した。温度上昇を抑制

 室内の涼しさ保つ

 暑さ対策の鍵は『遮熱』--。一般社団法人全国住環境改善事業協会(横浜市旭区)が提案するのが、屋根と窓の遮熱リフォームだ。

 同協会は、住宅の空気環境改善と中小企業の活性化を目指し、10年4月に発足した。建築・不動産関連の事業者を主体に、現在約300社が加盟。毎月研究会を開き、住環境分野のビジネスモデル構築に向けた活動を行っている。

 遮熱リフォームをテーマとした4月の研究会では、明光建商(福井県越前市)が開発した屋根用遮熱塗料「シポフェース」が紹介された。樹脂製モルタルを基調に、火山噴出物のシラスを配合した無機系塗材で、外部からの熱を伝わりにくくする性質がある。真夏は屋根の表面温度が80度近くにまで上がることがあるが、シポフェースを施工した屋根は、温度が45度以上には上がらないことを証明済み。05年の愛知万博やJR品川駅の駅舎など、主に大型案件への導入で実績を上げている。

 「窓も併せて遮熱すれば、室内はかなり涼しい状態を保てる」と岩倉春長理事長。施工単価は、100平米程度の住宅で1平米当たり8000円。やや割高だが、「コストは光熱費の削減分で十分回収できる」と見る。実際、工場での夏季冷房電力量を比較したところ、施工前より約25%減少したという。

 同協会では会員を対象に、施工請負に限らず商材の斡旋(あっせん)のみでも紹介料(5-10%)が受領できる制度を整えた。冷房需要の本格化を前に、施工研修の実施などに取り組む方針だ。

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