不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編(21) 賃料滞納者への建物明け渡し請求は、どうすれば効果的か?
住宅新報 2011年3月29日 号 6面
Q
当社は賃貸の仲介と管理をしている業者ですが、賃料滞納者に対し、再三の催告にもかかわらず入金がない場合、契約を解除して建物を明け渡してほしいのですが、その手続きがよく分かりません。どのようにしたら、よいでしょうか。A
賃貸借契約を解除するには、当事者間に信頼関係の喪失という致命的な状況がないと、なかなか認められません(判例)。
契約を解除するには、まず客観的な状況として、借主に再三にわたる賃料滞納があるということと、その滞納状況がかなり長期(例えば、2-3カ月連続)にわたるというようなことも必要になってきます。そして、そのような状況の中での本格的な「催告」ということになるわけです。
したがって、手続きとしては、まず支払いの「催告」をし、その催告によっても支払いがないということを「証拠」として残しておくということが非常に重要になってきます。そのためには、催告は配達証明付の内容証明郵便で行うことが必要になります。そして、そのうえで最後通告を「停止条件付契約解除通知」という形で行い、賃貸借契約の「解除」をします。
そうすると、借主はその時点から建物を「不法占有」しているという状態になりますので、裁判所が関与する法手続に入ります。裁判所に対しては、賃料の支払催告が再三にわたってされたにもかかわらず、支払いがないので契約が解除されたのだという事実(内容証明郵便等)を示すことで、契約が正当に解除されたのに借主が建物を明け渡さないことを訴え、滞納賃料の支払請求と合わせて、建物の明渡しの強制執行を求めるということになります。
この一連の手続きを効果的に行うためには、ある段階(場合によっては最初)から弁護士に依頼し、弁護士の名で催告なり、契約の解除通知なりを行ってもらうことが有効です。(渡邊不動産取引法実務研究所
代表
渡邊
秀男)













