紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第93回 坂口有吉
住宅新報 2011年3月22日 号 5面
更新料を払いたくない理由が間違い
自分に都合よく解釈
当社の管理物件に入居していたお客さんから相談のメールがあった。その内容は私からすれば「おいおい」というもので、不快で気が重かった。
その相談内容は、「今借りている部屋がもうすぐ更新なんですが、2年に1回ながら正直言って家賃1カ月分の出費は非常に痛く、何とか免除してもらえないものだろうかと思っていたところ、最近の世論では更新料は今や無効に近い制度で、話し合い次第ではそれも可能と聞いています。もしそうなら(そうでなくてもですが)、大家さんもしくは不動産屋さんと話をしてみようと思うのですが……」というもの。話を上手くまとめるためのアドバイスを求めてきたのである。貸主勝訴も
私がいつも書いていることだが、法律や世論を自分に都合よく解釈している典型である。先ず「更新料を払いたくない」という結論があって、そのために裁判や世論の動向を自分の希望に合う部分だけ抜き出して、無理に符合させている。彼の中では逆の「貸主勝訴」の判決など全く見えていないし、存在していない。
私も賃貸住宅の入居者なので、借主にとって2年に1度の更新料の支払いが痛いのは分かるが、借主が「痛い」と思うのと同様、貸主にとっても更新料が入らなくなるのは当然に「痛い」ものである。自分が「痛い」から払わなくてもいいようにならないか、との相談は身勝手この上ないものだ。更新料を払いたくないのが「そんな理由」でなら相談になど乗れるものではない。それで私はこう回答をした。家賃値上げ
「大阪での更新料を巡る裁判では、貸主が勝訴していたり借主が勝訴していたりでいまだ決着が付いておりません。ただ、判決の如何にかかわらず、この先は更新料という制度はなくなるかもしれません。ですが、現状で更新料が無くなるとしたら、家賃や管理費の値上げは避けられません。家主さんの立場も考え、『2年に1度とはいえ更新料の負担はキツイので、毎月の家賃を3000円程度値上げしていただいても構いませんので更新料の支払いを免除していただけると嬉しいのですが』と言ってみてはいかがでしょう」と。第一、そもそもそんなことを相談する相手を間違えている。
(坂口有吉不動産・社長)













