森ビル社長に辻慎吾氏 森稔氏は会長に 「街づくりを継承」
住宅新報 2011年3月15日 号 2面
森ビルは3月8日に開催した臨時取締役会で、辻慎吾取締役副社長が6月の定時株主総会後に次期社長に就任することを内定した。森稔社長は代表取締役会長になる。同日開かれた記者会見で、森社長は社長交代の理由をこう述べた。
「森ビルの街づくりと組織を継承し進化させて、国内外に拡大・展開していくための布石だ。私が後継者に望む条件は3つあった。一つは、街づくりを通して社会に貢献するという森ビルのビジョンを承継し、実践してくれる人。二つ目は、古い概念を壊し困難な課題に立ち向かう強い意志とクリエイティブなものを仕上げる遂行力があること。三つ目はマネジメント能力。人の好き嫌いで判断せず、個々や組織が持っている能力を最大限に引き出し、外部とも信頼関係が築ける人。辻君はこうした条件を、自然にこなす力を備えており、森ビルの将来を託すに足る人物であると確信している」
一方、1年半前に森社長から通告され、正式には2週間前に引き継ぐ決意を伝えたばかりという辻氏は、就任に向けた抱負を次のように語った。
「私が社長として果たすべき使命は3つある。第1は、森ビル、森社長の街づくりの思想を受け継ぎ、発展させること。森社長がそうであったように、私も常に街づくりの最前線に立って、森ビルの街づくりを進めていきたい。第2は2つの意味でのグローバル展開。ひとつは内なるグローバル化。世界の企業やプレイヤーを東京に集め、それにふさわしい場を東京につくること。もうひとつが森ビル自身の海外展開。グローバル化で森ビルの街づくりや運営ノウハウが海外に輸出できる時代になったことは私どもにとってチャンスだ」
「第3は都市を舞台とした新しいビジネスの創造。森ビルはこれまでも理想の街づくりを実現するため、文化芸術、研究教育、交流、健康など様々なビジネスを立ち上げてきた。まさに都市はビジネスの宝庫だ。私どもはその最前線にいるので、今後もそこに力を入れていきたい」
辻氏の社長就任は、森ビルにとってオーナーである森家以外から初の登用となる。辻氏は横浜国立大学大学院工学研究科卒業後森ビルに入社した生え抜き社員。六本木ヒルズ開発の最前線に立ち、タウンマネジメントという新しいビジネスモデルを確立した。現在50歳で、森社長と比べると2回り以上の若返り人事となる。
辻慎吾氏(つじ・しんご)=85年入社。99年六本木六丁目再開発事業推進本部計画担当課長。05年六本木ヒルズ運営室長兼タウンマネジメント室長。06年取締役。08年常務取締役。09年12月取締役副社長。













