常日頃(59) 第2部市場の変革者たち(9) LEDと木目のハーモニー 田中木材工業社長 田中 崇文氏
住宅新報 2011年3月1日 号 11面
経済にパワーを与える原動力として発明や新商品開発がある。電光掲示板ではなく、木のドアや角材に突然文字が浮かび上がり、表面を移動もする技術が注目を集めている。開発したのは徳島に本社がある田中木材工業。発光ダイオード(LED)で有名な日亜化学工業を抱える徳島県が、LED需要のすそ野を広げるため企業にアイデア(新商品)を募集したとき出展、見事に県の補助対象に選ばれた。木の内部にLED1536個が組み込まれている。住宅部材の製造を行う会社として明治時代に創業した老舗企業。人口減少によるマーケットの縮小を控え、健康や癒しといった、新たな付加価値を備えた商品づくりを積極化している。
サクラやカエデなどの天然木を薄く削った突き板を、透明なプラスチックの箱に張り付け、中に仕込んだLEDを発光させるとスライスした木材に文字が浮かび上がる仕組みだ。美しい木目と鮮やかなLEDの光が、独特の雰囲気を醸し出す。最初は会社の主力商品であるドアの中に仕込んで、「会議中」「診断中」などの文字を浮かび上がらせた。
人感センサーをつければ、人が近づくと突然文字が現れるようにすることもできる。ドアに文字が浮かぶという意外性とインパクトが受けている。最近は会社や病院だけでなくホテルや結婚式場など雰囲気を大切にする場でも使われ始めた。













