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スタンダード会員限定ニュースが分かる! QアンドA 相続税強化で不動産業への影響は?

住宅新報 2011年2月15日 号 7面

高齢者の不動産活用がビッグチャンスに

 若手女性記者「相続税の増税と不動産業はどう関係するの?」

 先輩記者「今は死亡した人の4%程度しか課税されていないが、それが6%程度に拡大するらしい。都会では2ケタの比率になるようだ。相続税の大衆化は確実だから、相続コンサル部門に力を入れていこうとしている不動産会社にとってはチャンスかもしれない」

 女性記者「でも、年間死亡者数は110万人ぐらいというから、それの2%アップはたいしたことない気もしますけど」

 先輩「納税義務が現実化すれば、相続人同士の紛争が増えると思うよ。身近に相談できる専門家が欲しいよね。特に、女性は一生に6回も相続を経験するそうだ」

 女性記者「6回もですか!」

 先輩「自分の親で2回、夫の両親で2回、それに夫、最後は自分の財産を子供に相続させる。幸せな相続をするかどうかで、女性の人生は大きく変わる」

 女性記者「先輩、人生経験豊富なんですね。でも、確かに財産を引き継ぐわけですから、その後の人生を大きく左右しますよね。それに、最近は2度結婚する人もいますし…。ちょっと勉強しておこうかな」

 先輩「最初の質問は、もういいの?」

 女性記者「あ、そうでした。日本人の資産は大半が不動産ですよね。だから、相続税がかかる人たちが増えて、遺産分割などで相談を受けることができれば、本業にもつながるということですか」

 先輩「そうだけど、そんな短絡的な話だけではないな」

 女性記者「というと、ほかにもっと大きな可能性があるんですか」

 先輩「あるような気がする」

 女性記者「なんだ、気がするだけですか」

 先輩「記者は気配を感じることから仕事が始まるんだよ」

 女性記者「(いつものえーかっこしーが始まった)」

 先輩「一つは、小規模宅地の評価減が、居住用も事業用も『継続』が絶対条件になったよね。これは主に2次相続で影響が大きい。つまり、1人暮らしの母親が死んだとすると、相続する子供は申告期限までは継続居住しないと100%課税されてしまう。高齢者の単身世帯が増えていることをみれば、そういう条件を満たす人は少ない」

 女性記者「そうですよね。どうすればいいのかしら」

 先輩「どうにもできないよ。だって、国はせっかく高齢者が増えているのに相続税収が増えないのはおかしいということで、軽減措置を厳しくしたわけだから。財政を再建ししたい国としては増税分は絶対確保したいところだろう」

 「ただ、国は今度、国交省と厚労省が共同してサービス付き高齢者向け住宅の登録制度を創設する。登録された住宅のうち賃貸借契約によるものは税制上大きな軽減措置がとられることになったから、高齢化対策として税金を還元する制度も始める。建設補助もあるから通常の家賃相場で、高額の一時金も取られずに入居できる高齢者住宅がどんどん整備される可能性が出てきた。これは、地元密着の地域不動産業にとっては絶対ビッグチャンスだよ」

 女性記者「それは分かるけど、さっきの継続居住しなければ評価減が受けられなくなった話と、どう関係しているの?」

 先輩「君の推理力を試そうと思って、わざと話を一つ飛ばしたんだ」

 女性記者「(いやな奴)」

 先輩「つまり、どうせ親との同居なんてできないなら、母親にはサービス付き高齢者向け住宅に移ってもらって、実家を賃貸にしておく。そうすれば、不動産賃貸を続けることで200平米までは50%の評価減がこれからも受けられる。しかも、10カ月後の申告・納税期限が過ぎたら売却してしまっても大丈夫なんだ」

 女性記者「賃貸に出した実家の管理を受けたり、売却を仲介したりと、これからの地域不動産業は高齢化社会を積極的にとらえて、不動産に関する身近な相談相手になることを目指すべきなんですね」

 先輩「特に長生きして6回も相続を経験する女性客を離さないことだろうね」

 女性記者「(ちょっと、いやらしい)」

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