10年住宅着工は81万戸 貸家は更に減、48年ぶり低水準
住宅新報 2011年2月8日 号 2面
ストック増加も低迷要因に
国土交通省の調査によると、10年の住宅着工戸数は対前年比3.1%増の81万3126戸だった。1964年以来の低水準だった09年からは増加したものの、依然として60年代中盤の水準にとどまる形となった。
年率値の推移を見ると、09年夏以降、持ち直し傾向が続き、10年は82.9万戸まで回復したところからスタートした。しかし、雇用・所得環境の改善は乏しく、再び弱含みに推移。5月には、76.4万戸まで下がった。以降は、また持ち直しの動きが続いているものの、12月も86.1万戸にとどまっている。
住宅着工の低迷に影響を及ぼしたのは、厳しい景気状況はもちろん、「空き家率の上昇も背景にあるのではないか」(国交省)という。
その影響を大きく受けているのが貸家のようだ。10年の住宅着工戸数を利用関係別に見ると、持家(前年比7.2%増の30万5221戸)や分譲マンション(同18.2%増の9万597戸)、分譲戸建て(同20.9%増の11万358戸)が前年比増になった一方、貸家は29万8014戸で、前年比7.3%減。昨年から更に下落し、48年ぶりの低水準となった。
空き家率の上昇、つまりストックの増加が今後、新設住宅着工に影響を与えると見る向きは多い。四半期ごとに住宅着工戸数を予測している建設経済研究所は今年1月、11年度の着工戸数を89.9万戸と予測。一定程度の回復は見込むものの、90万戸割れと見通した。景気低迷に加えて、中古市場への需要流出といった構造要因が影響を及ぼすという判断だ。そのため、12年度以降の将来的な着工戸数の推移について、「100万戸台への回復は考えにくい」とも話している。
一方、10年住宅着工では、政府・経済対策の効果も一部現れる形となった(1面関連)。住宅金融支援機構の資金による着工が、前年比54.6%増。これは「主に、フラット35S金利引き下げ幅拡大の効果」(国交省)。戸数ベースでも、約2万戸増加しており、着工数の押し上げに貢献した。
フラット35Sに関する住宅金融支援機構への申請は10年3月以降、前年比5倍程度で推移。10年12月も5.26倍だ。金利優遇拡充は11年いっぱいまでを予定しており、この効果はまだ続きそうだ。













