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スタンダード会員限定賃貸住宅に規律と秩序を トラブル事例と居住者対応(第9回) クレーマーの4類型(その2) 心構えは「冷静さ」と「勇気」

住宅新報 2009年2月17日 号 11面

 今回取り上げる「規則遵守型クレーマー」と「常習的悪質クレーマー」は、対応する頻度が比較的多いタイプと思われる。一見、要求内容に正当性があり、対応の限界を突いてくるという意味で、より頭を悩ませるタイプと言える。◆「規則遵守型」の例

 【事例(1)】

 鳩やカラスに対する苦情を減らすために、ゴミ出しルールの徹底やハトへの餌付けをしないように注意したとしても限界がある。しかし、鳴き声が煩(うるさ)いとの理由で、「家賃を負担している我々は平穏な生活を送る権利があり、生活騒音をもたらす鳥類を排除する管理義務がある」とか「鳥インフルエンザが心配だ。大丈夫か。安全性をデータで示せ」と要求してくるケースがある。

 【事例(2)】

 「共用廊下への私物設置を一切合切認めるべきではない」と主張する入居者が時々いる。明らかに通行や避難の妨げになり、不法占拠と言えるものは是正勧告を行うが、小型の生協の宅配BOXや牛乳受けの類は、殆どの場合は黙認している。日常生活を送るうえで必要と思われ、通行の支障にならなければ、使用規則を四角四面に適用すれば良いものでもない。しかし「使用規則には、『共用部分には物を置くな』と書いているだろ。早く是正しろ」と執拗(しつよう)に要求する入居者もいる。

 ◆「常習的悪質」の例

 【事例(1)】

 実損以上の賠償を要求するクレーマーで、上階の浴槽の防水切れが原因で当人の住宅に漏水し、5年前に購入した32インチテレビが水害を受けた。機能障害となり、同等品の買替えで対応することにした。ところが、「同じ商品はない。地上デジタル対応の50インチハイビジョンを購入するから弁償しろ」と言ってきた。過去にも、「部屋の釘で洋服を引っ掛けたので弁償しろ」「駐車場の脇の樹木の樹液で自動車の塗装が剥げた。新車に買い替えろ」など、何かにつけ因縁をつけて、金銭を要求してくる。

 【事例(2)】

 実損がないにもかかわらず、金銭要求してきた事例。築後30数年を経過した建物のエレベーターで、着床時に数cmの段差が生じることがしばしばあった。70代のお婆さんがその段差に躓き、主人から「段差があったのが原因だ。足を骨折したので誠意を示せ」との要求。エレベーター内の監視カメラを分析したところ、当人申し出の日時に人が転倒した記録はなかった。それを指摘したところ、「事故の日時を勘違いしていた。実は……」と今度は違う日を言ってくる。意図的にクレームをでっち上げているタイプ。

 ◆心構えと対応

 「規則遵守型」が要求する内容は一見もっともなことが多く、丁寧に話を聞く必要がある。無理に反論するとか、言い訳めいた話は控え、できることからやっていく、というスタンスで対応した方がよい。一方、常習的悪質クレーマーは「担当者が自分のことを厄介な人物、面倒な人物」と考え、「きちんと対応するよりも少額の金銭で済むなら」と思ってくれることを狙っている。彼らは、クレームの事実関係を根ほり葉ほり、具体的に質問すると非常に嫌がる傾向がある。

 クレーマーに対する心構え…「冷静さ」「強い気持ち」「勇気」「粘り強さ」「平常心」…をいつも忘れずに。(瀬戸一郎=賃貸管理会社勤務)※傍線は「プロ法律家のクレーマー対応術」(PHP新書、横山雅文著)の引用

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