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スタンダード会員限定借地借家法正当事由見直しなど 弱者保護踏まえ検討へ 行政刷新会議規制改革分科会 改革案取りまとめ

住宅新報 2011年2月1日 号 2面

 政府・行政刷新会議の規制・制度改革分科会は1月26日、約250項目の規制・制度改革の対処方針案を示した、分科会中間取りまとめを行った。住宅・土地分野では、老朽化建物の建て替え促進に向けた借地借家法の正当事由制度の見直しや区分所有法における団地の一括建て替え要件の在り方を検討することなど、計11項目が盛り込まれた。規制・制度改革の方針は今後、各省協議や3月上旬に予定する規制仕分けの結果を踏まえ、3月末の閣議決定を目指す。正当事由制度整理を要請

 「取り組みへメッセージ」

 今回の中間取りまとめは、老朽化建物を建て替える際のハードルの1つとなっている規制の緩和に向け、なんとか突破口を見いだしたい思いをにじませている。

 借地借家法の見直しは、賃貸人が更新拒絶や解約を申し入れる際の正当事由として、建物の老朽化や耐震性といった建て替えの必要性を盛り込む検討を、所管する法務省や住宅行政を担う国土交通省に要請した。借家人に明け渡しを求める裁判に長期間を要したり、高額の立退料の支払いを要求されるケースを改善することが目的だ。

 この要請は、10年6月に閣議決定された、61項目の規制改革方針を示した1次対処方針(今週のことば)取りまとめに向けても検討されたもの。このときは、国交省が積極的な姿勢だった一方、法務省は難色を示した。立ち退きを強制され得る借家人など弱者保護が主な理由だ。結果、閣議決定された1次方針では、具体的な方向性は盛り込まれず、問題提起にとどまった。

 この経緯があることから、今回の中間取りまとめでは、正当事由制度の見直しを「借家人保護の重要性を踏まえつつ、総合的に検討」と明記。併せて、法務省に正当事由に関する整理を要請。どのような方策を取れば正当事由に該当するか予測可能にすることや裁判に要する期間・費用などの軽減を図るため、過去の判例を分析した具体的な事例集の作成を求めた。この要請は、「規制緩和への検討を少しでも進めてもらうためのメッセージ」(内閣府)という。団地建て替え要件緩和へ

 「ニーズ高い分野から」

 区分所有法の建て替え決議要件緩和の検討も、同様の経緯をたどっている。借地借家法見直しと同じく、1次方針では問題提起にとどまった。建て替え費用が捻出できない弱者保護をどうするかといった法務省の指摘のためだ。

 区分所有法では、1棟を建て替える場合、居住者の5分の4以上の賛成が必要。これが団地になると全体での5分の4に加えて、各棟で3分の2以上の賛成も求められる。

 今回の中間取りまとめでは、後者の団地内建物の一括建て替え決議要件の緩和に絞って国交省・法務省に検討を要請した。この背景には、「分科会の審議でも意見が多く、特に根深くニーズの高いもの」(内閣府)という点がある。例えば、区分所有者数の少ない棟でごく少数の反対により、3分の2以上の賛成が得られず、全体で見るとわずか数%の反対にも関わらず、全体の80%以上の総意が翻る場合などを改善するためだ。

 そしてもう1つ。5分の4要件の緩和も視野に、見直しへの取り組みを法務省に促すための第一歩といった位置付けがあるという。1次方針の検討では、5分の4要件の緩和を求めていた。今回、要請内容を絞ることで、特に問題が指摘される部分から検討を要請し、将来的にはそれを5分の4要件の緩和を含めた検討につなげる狙いがあるようだ。

 老朽化が進むマンションは、防災性や機能性の観点からも円滑に建て替えを促進することが喫緊の課題。その中で、法規制の緩和は建て替え円滑化への大きな課題とされている。

 今回の中間取りまとめでは、1次方針などでの議論も踏まえ、メッセージをにじませた案となった。借地借家法や区分所有法の見直しへ11年度の検討開始を求めているこの中間案がどの程度効果を発揮するか注目だ。

 なお、そのほか中間取りまとめでは、投資法人における「減資」制度の導入▽建て替えに資する建築規制の緩和▽構造計算適合性判定の対象範囲見直し--などが盛り込まれている。

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