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スタンダード会員限定全国の中心市街地はいま にっぽん「地価一番」物語(44)鳥取県鳥取市栄町 日本不動産研究所

住宅新報 2011年2月22日 号 22面

空洞化で活気は郊外に

 駅前への市役所移転問題も◇人口20万人割れに

 鳥取市は、鳥取県の県庁所在地で、県の政治・経済・文化の中心都市である。04年11月に周辺8町村と合併し、人口20万人超の新鳥取市が誕生したが、毎年人口は減少、現在は20万人を切っている。

 中心市街地の変遷を見ると、当初は鹿野街道に、その後、車馬交通に便利な智頭街道へ移転。そして、国鉄鳥取駅新設と温泉発見で、県庁と国鉄駅を結ぶ若桜街道に移った。更に鳥取大火災(52年)以降は、駅前に都心が移転した。

 現在の中心市街地は、駅周辺地区と官庁街城跡周辺地区の2つの核と、それを結ぶ2つの街道軸で形成されている。小売店舗や中小事業所の郊外流出が進む中、中心部の事業所数や商店数、小売販売額は全体的に大きく落ち込み、また、通行者数も毎年減少傾向をたどっている。以前は、空き地があると、分譲マンション開発などが行われたが、最近では、新規計画の話題はない。

 現在、地価水準は鳥取駅前が一番高い。だが、最も活気があるのは郊外の千代川以西の路線商業地域で、昨今の車社会を反映している。公示地の最高地点は5-3(栄町)で、年々下落し、下落幅は拡大している状況だ。

 バブル期前と比べると、現在の地価は約20%程度に下落している。この率は一般的に、用途(住宅か商業か)と地域(大都市か町村部か)によって大きな差がある。勢いのある東京中心部などでは上昇しているが、多くの地域で下落。地方中小都市の中心部は、おおむね鳥取と同様20%台の水準にある。

 今後の地域経済活性化のための課題としては、まず、市役所移転問題。庁舎統合も兼ねて、新庁舎建設移転問題が浮上。現在、有力なのが鳥取駅周辺である。ただ、財政問題、中心市街地の空洞化問題などから、反対も多く、円滑に決着とはいかないようである。

 次に鳥取自動車道の開通。10年3月に鳥取県内全区間が開通。12年度中に全線開通がが予定され、鳥取-大阪間の所要時間は約2時間30分となり、観光、産業などへの経済効果に期待がかかる。ただ、交通利便性の向上が、地域の発展とは必ずしもつながらない。逆に人口が減少し、衰退している例もあり、地域の努力が必要だ。◇市内への観光客誘致

 3つ目は砂の美術館。観光のシンボルである鳥取砂丘にあり、06年から定期的に砂の彫刻の野外展示イベントが行われている。このおかげで、観光客は毎年増加し、09年度には195万人が訪れた。ただ、「鳥取市中心部にまで観光客は来ない」と言われている。現在、地元では、市中心部にある温泉などを売り物に、観光客を呼び込むための様々な施策を模索している。((財)日本不動産研究所鳥取支所、不動産鑑定士・向井伸)

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