田原祐子が教える-- 部下をやる気にさせる究極のマネジメント力(16)
住宅新報 2011年2月22日 号 7面
ストレスを軽減するには冷静な「把握」「分析」を
勝手な「思い込み」も少なくありません
現代社会は、大変ストレスフルな状態です。日々積るストレスを、自分自身でマネジメントしなくては、心身ともに健康な状態で過ごすことが難しいものです。そのため、最近では、『メンタル・デトックス』という弊社のお勧めしているストレスケア方法を、企業で取り入れていただくことも多くなりました。
この方法は、コンサルティングで活用する『問題解決方法』を応用した、誰でも簡単に取り入れられるストレスマネジメントのプログラムです。
具体的には、(1)現状の把握(2)原因の分析(3)問題の解決という3つのステップで、自分自身の抱えるストレス一つひとつを分析していきます。まずは書き出す
まず、はじめに、ストレスを紙の上にすべて細かいところまで書き出してみます。もやもやした気持ちも、こうして書き出してみると、客観的に見ることができるのです。そして、その問題が「事実」なのか、「思い込み」なのかを見極めていきます。例えば、「いつも○○さんは□□する」というストレスは、冷静に見れば、実は自分の勝手な「思い込み」であるといったことが少なくありません。人間は、感情の動物ですから、いったん思い込むと、「悔しい」「腹が立つ」といった具合に感情に煽られて、事実を見失ってしまいます。これでは、自分でストレスを創り出しているようなものです。
次に、目の前の問題が、「自分の問題」か、それとも「他人の問題」なのかを分析していきます。この段階で心に留めておきたいのは、「他人」の言動は、「自分」の鏡であること。あなた自身が相手に辛く当たれば、相手も同様にそうするものですし、逆に優しく接すれば、相手も優しくなります。ですから、他人を変えたければ、まずは自分が変わらなくてはならないのです。
更に、ストレスの原因となっている問題を、時間の軸で分析していき、その問題が「過去」「現在」「未来」のいったいどの時点の問題なのかを見極めます。例えば、過去に失敗してしまったことをいくら悔やんでも、残念ながら過去は変えられません。変えられぬことをいつまでも憂いていても何の進展もなく、やりようのないジレンマに苦しむだけです。しかし、もし、今の時点から行動を起こしさえすれば、過去の失敗など笑い話になるほどの進展が望めるかもしれないのです。このように分析していけば、悩みの多くが、「悩んでいても仕方ない」ものだということが分かり、心が穏やかになっていきます。
最後は、自分の悩みやストレスが、他の誰かや何かを「支配(コントロール)」しようとしていないか、自分自身の価値観を相手に押しつけて「評価」していないか、「なぜ、そんなこともわからないのだ…」などと「問い詰め」ようとしていないか、あるいは、悩みがあるのは、○○のせいだなどと、「依存」していないかを、見極めていきます。これらは、すべて自分自身の「エゴ」であり、エゴは自らのストレスをいたずらに増大させてしまうだけなのです。
このようなストレスマネジメント法を、スタッフ全員が理解し実践することで、職場の人間関係が円滑になり、課題が解決し営業実績もアップしていきます。
次回は、「マネジメントツール『枠』『軸』『船』」について、お話しします。
(たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)













