常日頃(57) 第2部 市場の変革者たち(7) DAISHU社長 石井誠一氏
住宅新報 2011年1月18日 号 9面
明治創業の老舗企業が住宅事業に参入
「本物の家」を徹底研究
今年最初の常日頃は、住宅・ビル、リフォームの設計施工会社DAISHU(千葉県市川市、石井誠一社長)です。東京との境を流れる江戸川に程近い、国道14号線沿いに会社がある。母体は明治17年、石井巳之助氏が東京本所相生町に開業した薪炭問屋の石井商店だ。
昭和25年に市川市菅野で株式会社に組織変更。社長は先々代の石井信吉氏。昭和39年には先代社長の石井誠氏にバトンタッチされた。同氏は42年にLPガス販売事業に参入。63年には商号を現在のアイ・エス・ガステムに変更した。また同年、DAISHUの前身である大秀建設をグループ企業として設立している。
平成7年に社長に就任した誠一氏は「企業を永遠に存続させていくためには事業の多角化は不可避」として、リフォームビジネスや環境事業にも参入。多角化5本柱の一つとして、住宅建設事業に本格参入することを決断したのは僅か2年前だ。
「住宅という生活の基盤づくりをビジネスにするからには、建設という次元にとどまらず『人間密着企業』にならなければならない」という思いを込めて一昨年、社名を大秀建設から建設の文字をとったDAISHUに変更した。健康になる住まい
--127年前に、薪炭の卸売業としてスタートして以来、地域密着ビジネスの神髄をきわめてきた老舗企業が、これからどんな住宅を建てようとしているのか、そこに最大の関心があります。「本物の家です。それは何かと聞かれたら、第一に健康になれる住宅。第二は、建てたあとメンテナンスがほとんど不要で、毎日使用する電気・ガスなどの光熱費が極力少ない家でしょう」
--シックハウスの問題はまだ解決されていないということでしょうか。
「法律で規制しているのは数多くある有害物質の内ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの2種類だけですから。その規制基準にしても、通常の健康体の人への悪影響を軽減する程度で、赤ちゃんや、もともとそうした有害物質に敏感な人でも大丈夫というレベルではありませんから」
「人の生命や健康にとって最も大切なのは空気ですから、これからの住まいは、いい空気に満ちた空間であることがポイントです。アレルギー体質の人が住んだら治癒するようなレベルを目指すべきでしょう」
--修理代や光熱費が極力かからない住まいを造るにはどうしたらいいのでしょう。
「屋根や外壁などの建材にはなるべくメンテナンスが不要なものを選ぶ。外観も大事で複雑な形態ほど修理コストがかさみます。光熱費はどういう断熱材や工法を採用するかで大きく違ってきます」
--ユーザーはそうしたいい家をつくるためのアドバイスを誰に求めたらいいのか。
「日本では第三者によるアドバイス機関がまだそんなに多くありません。結局は信頼できる業者を探して、納得がいくまで相談しながら進めていくことが重要です。当社もこの2年間、様々な建材や工法、フランチャイズなどを研究して理想の家づくりを目指してきました。これからも自分や社員が、自ら住みたくなるような家だけをつくっていく覚悟です」エネルギーに革命を
--省エネ効果の高い家造りという点では、エネルギー会社が母体なだけにひときわ差別化戦略が可能なのでは。
「そうですね。エネルギーに関する最新知識に関してはプロですから(笑)。
住まいのエネルギー革命を推進しているという自負はあります。昨年暮れには遠赤外線を使った光冷暖や太陽光発電、キャパシタによる家庭用蓄電などを搭載したモデルハウスの見学会を『200年住宅』のHABITAとの共催で開かせてもらいました。HABITAは国産材をふんだんに使っている点と、何よりもシンプルで美しい外観が気に入っています」
--今後の事業計画は。
「年間500棟、売上高100億円ぐらいの規模を目指します。現在の社員は20人ですが、60-70人ぐらいで安定経営ができるようにしたい。そのためには、広告費を掛けなくてもお客さんがコンスタントに来てくれるように、地域になくてはならない信頼できる企業にならなければいけません」
(本多
信博)<会社概要>本社=千葉県市川市市川2-11-15設立=88年2月資本金=5000万円許認可=特定建設業大臣許可、一級建築士事務所電話=047-325-1335













