「業況好転」の見方4割も 分譲、流通回復強める 賃貸「横ばい」、着工は増勢へ 主要企業経営者・新年景況見通し 本社アンケート
住宅新報 2011年1月11日 号 1面
新年の住宅・不動産市況は、厳しさが続くと見る経営者が過半を占める一方で、良くなるとの見方が4割を占め、回復への期待が強まっていることが、住宅新報社の業界主要企業経営者に聞く「新年の景況見通しアンケート」(10年12月中-下旬に実施、回答72人)で分かった。リーマンショック(08年9月)以降、住宅・不動産市況は一部を除いて全体的には低迷していたが、10年は住宅税制やエコポイント、金利優遇などの政策効果が上がり、ようやく底打ち、回復機運が出てきたばかり。迎えた11年はその基調を維持・拡大できるかがポイント。長引く不況で需要動向などは楽観できないが、明るい方向での見通しが増えてきた。
(2面にアンケートの内容と結果、回答者一覧)◆全体景気と業況
全体景気(景気)の見通しを10年と比べてどうか聞いたところ、「少し良くなり、回復の兆しが出る」と「同様の厳しさが続く」に二分され、「良くなる」との見方がわずかに上回り、過半(51%)を占めた。「回復基調が強まる」と、前回まであった「更に悪化する」は今回ゼロだった。
住宅・不動産市場動向は、「同様の厳しい状況で推移」という慎重派が57%を占めたが、「好転、活性化基調が強まる」という回復派も40%。「厳しくなる」は3%に止まった。◆首都圏分譲マンション
10年の新規供給は約4万5000戸の見込みで、最近では最も少なかった09年(3万6376戸)から増勢に転じたが、11年はそれを更に上積みするという見方が多かった。最も多かったのは「4.6万-5.2万戸」(全体の49%)で、回答企業の6割強を占めた。次いで、前年並みの「4万-4.5万戸」(同17%)、大幅増の「5.5万戸以上」は13%だった。
売れ行きは復調して、好調ラインの月間契約率70%を維持した10年と「同程度」が回答者の8割強を占め、残りは「良くなる」で、「悪化する」との見方はなかった。◆賃貸ビル市場
首都圏のオフィスビルの空室率と賃料動向を聞いた。Aクラスビルの場合、空室率は「横ばい」が42%、「改善する」も36%あったが、中小規模ビルでは「横ばい」が44%、「悪化する」が29%もあり、明暗が分かれた格好だ。賃料動向は「横ばい」が37%で最も多かったが、「Aクラスは『下げ止まり・上昇』するが、中小ビルは『横ばい』まで」という見方も31%で続いた。◆不動産流通・投資市場
リーマンショック後いち早く回復した首都圏流通市場は、その後も堅調な動きを示している。取引件数自体は個人分野、法人分野とも「横ばい」が6割強を占め、価格も「横ばい」が最多だった。
Jリートを含む不動産投資ファンドなどの投資活動は、10年秋口からようやく回復へ動き始めた。10年対比で「投資活動が増え活発化の兆しが出る」が全体の6割を占め、「同水準」は3割弱に止まり、この分野の動きも変化してきたことを示している。◆新設住宅着工
急落した09年(79万戸弱)を底に増勢に転じた10年(約81万戸見込み)をどれだけ上回ることができるか。大方の経営者が増加基調を継続すると見ていて、「85万-89万戸」が全体の46%を占めてトップ。「90万戸以上」も7%あった。増加するのは分譲住宅で、建て替え、貸家は「横ばい」との見方が大半だった。◆賃貸住宅・リフォーム市場
不況の長期化などで市況が厳しくなっている賃貸住宅。前年対比の空室率は「横ばい」が6割弱を占め、「改善」と「悪化」が同数(17%)で続いた。賃料も「横ばい」が過半を占めているが、「下落する」が32%もあり、先行き不透明感が強い。
一方、住宅リフォーム・増改築市場は「活発化・市場拡大」との見方が「同程度」の2倍以上を占めた。政府の新成長戦略で既存ストック活用が示されているが、業界経営者の中にも、そうした新たな市場への期待がうかがえる。













