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スタンダード会員限定賃貸住宅 対応に苦慮する3課題 糸口は自主規制を第三者との協力 「成長への羅針盤」

住宅新報 2011年1月4日 号 18面

 東京都宅地建物取引業協会立川支部が創立45周年を記念した座談会を開き、賃貸仲介・管理を手掛ける地域密着業者が昨今の賃貸業をめぐる諸問題を本音で話し合った。この模様は前に掲載したが、改めてこの論点整理と、解決の糸口を探ってみた。

 様々な難問、難題が話し合われた中で、中心はやはり原状回復と敷金精算、仲介手数料に係る問題、家賃滞納という賃貸業の3大テーマ。いずれも業界がタブー視する傾向があるテーマだが、消費者にとって望まれる仕組み、あるべき取引を求めて突っ込んだ意見が交わされた。その意味で公開座談会とはまた一味違った内容の濃い座談会となった。カギ握る入居審査と家賃保証

 原則、東京ルールに則って管理業務を行っているとされる原状回復・敷金精算については、クリーニング代やその範囲に家主や業者によって違いがみられることや、一方の消費者も東京ルールを誤解している点が指摘された。このため消費者にも家主にも公平かつ平等に対応を促すことができる今以上に明確なルールを希望する意見も一部で出された。

 ある業者からは、退去時の原状回復に係る疑問点を消費者センターにも確認するように入居者に勧め、消費者の理解を得ている事例が報告された。ひとたび問題が起こると業者・家主対借主の構図となりがちな原状回復だが、第三者に判断を委ねることも解決の一手。相談されて困るケースは論外としても、中立的な第3者機関が介在することでトラブルに発展する可能性は低くなる。

 空室増加で家賃や一時金の調整、リフォーム・設備の交換、フリーレントなど入居促進の限界も話し合われた。そこで最近目立ち始めたのが、広告費名目で経費を付与するAD物件。広告料は、家主の実費負担と決められているが、このAD物件ではAD50%、AD100%といったうたい文句が横行。この現状に危機感を覚える声が多かった。

 賃貸仲介手数料は、貸主、借主双方から合わせて1カ月が上限だが、AD物件を仲介すると実質的な手取りは倍増するケースもあるのが魅力。広告規定と共に手数料を定めた業法にも抵触しかねない行為により、市場をゆがめる弊害が懸念されるところだ。ここは業界挙げての自主規制に頼る以外に有効な手立てに乏しいのも事実。問題が深刻化しないうちに早めの手当が必要だ。

 家賃取り立て規制法案に絡んで、滞納問題についても多様な意見が交わされた。滞納が増加している業者もあれば、減ってはいないが増えてもいないとする声もあり、家賃滞納の実態は不明だ。しかし、国会に法案が提出されたのを機に明らかに風向きは変わった。

 滞納家賃の回収がより厳格に規制されることになるため、当然、入居の事前審査もより厳格に行う必要に迫られるようになるためだ。家賃保証業者の間では保証料が引き上げられたばかりだ。

 空室を埋めることを優先し条件を緩くした結果、滞納になるケースは当然ながら多い。厳格な入居審査、保証人の確保、家賃保証の3点を駆使した滞納の未然防止は賃貸管理の鉄則。この定石を怠れば当然リスクも高くなると心得るべきだろう。

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