「笑う門には福来る」 松岡英雄 新住まいのことわざ(47)
住宅新報 2011年1月4日 号 14面
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
いつも笑い声が満ち、和気あいあいとした家には、自然と幸福がやってくるというめでたい言葉を、今年最初の言葉として皆さんにお贈りします。
正月、たこあげやこま回しに飽きてきた悪ガキたちは、次は近所の女の子を集めて、いろは歌留多(かるた)で遊んだものでした。日頃から、好感を抱いていた可愛い子には、たくさん札が取れるように、子供ながらも気をつかったような記憶があります。まだ、テレビが普及していなかった頃の正月、子供たちは、そうやって過ごしたものでした。
ところで、あの『犬も歩けば棒に当たる』で始まる歌留多は、実はことわざだったのです。遊びながら、生活の知恵を子供に覚えさせる、先人の考え出した素晴らしい教材だったわけです。惜しむらくは、歌留多で遊ぶ子供が、今ではいなくなってしまったことでしょうか。そして、ことわざも少しずつ忘れ去られていく運命にありそうです。
歌留多には当然、住まいに関連した言葉も含まれています。「江戸かるた」には『葦(よし)の髄から天井覗く』だけ。「大坂かるた」には『遠い一家より近い隣』、『よこ槌で庭を掃く』『下戸に建てた蔵はない』『縁の下の力持ち』の4つ。「京かるた」には『笑う門には福来たる』『縁の下の力持ち』『めくらの垣覗き』の3つ。なぜか、意外と少ないのです。
(エッセイスト)













