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スタンダード会員限定不動産投資市場活性化の課題 「求められる透明性改善」 ニッセイ研レポート アジア資金呼び込む

住宅新報 2011年1月4日 号 5面

 ニッセイ基礎研究所はこのほど、「増加するアジアからの投資資金-求められる不動産市場の透明性改善」(発表者・金融研究部門不動産投資分析チームの増宮守副主任研究員)と題するレポートを発表した。

 それによると、国内の不動産投資市場へ流入する主にアジアからの投資資金に期待が高まっていることを受けて、不動産投資市場をより活性化するために市場の透明性の向上が課題になっているという。

 レポートはまず、アジアからの投資資金が増加している背景として4点指摘。(1)シンガポールや中国などの政府系ファンドの成長とその分散投資(2)安全資産とのイールド・ギャップ(利回り差)などに見られる日本の不動産の割安感(3)東京が世界一の経済規模を維持し、世界の投資家にとって無視できない存在であり続ける可能性が高い(4)機関投資家がアジアパシフィックに資産配分する場合は、市場規模の大きさから日本を優先する--。

 次に投資を促すために課題となる日本の不動産市場の透明性を例示。具体的には、(1)普通借家法に基づく日本の市場慣行が、海外投資家からキャッシュフローの変動リスクを大きくすると問題視されることが多いことと、賃貸オフィスビルでテナントから徴収する共益費の内訳の不透明さなどを挙げた。

 一方、不動産証券化商品を代表するJリートの情報開示水準は高く、リート先進国に劣らないが、英語での情報発信にみられるタイミングの遅れを解消する必要があるとした。特に時間帯の重なるアジアの投資家に対する配慮の必要性は高まっており、英語の情報発信は日本語と同時であることが望まれるという。

 また日本の不動産市場の透明性における最大の問題として、Jリートよりはるかに市場規模の大きい私募ファンド市場や、大手不動産会社や金融機関が長期保有する多くの優良不動産の透明性が低い構造となっている点を挙げた。

 ただ制度面でも、「賃貸不動産等の時価開示」制度が開始され、これまで保有不動産の収益情報の提供に消極的だった生損保などの機関投資家や不動産会社、不動産ファンド運用会社などが、不動産インデックス整備などを目的としたデータ提供に応じる環境が整備されたことを評価。

 アジア圏内でのリスク分散の観点から、海外投資家が今後も日本に一定の配分を行うことが期待される中、透明性の向上に向けて技術的に対応可能なものも少なくはなく、市場関係者の一層の努力に期待したい、としている。

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