不特法改正案、提出見送り 国交省・金融庁 金商法規制で調整つかず
住宅新報 2011年1月25日 号 2面
国土交通省は、不動産の再生事業などの資金調達を容易にすることを目的とした新たな証券化スキームを創設するため、検討していた不動産特定共同事業法(不特法)の改正案について、1月24日から始まる通常国会への提出を見送ることを決めた。新スキームによる不特法商品について、金融庁が金融商品取引法(金商法・今週のことば)の規制を受けるべきと指摘したため。これに対し、国交省側は、不特法の許可を受けている事業者(不特法事業者)のコスト負担増加などにつながるとして反対し、調整がつかなかったという。両省は今後も調整を続け、12年通常国会への提出を目指すことになる。
現行の不特法では、不特法事業を行う場合、許可を受ける必要がある。この許可制度は、資本金など厳格な条件を規定。不動産会社などの事業会社ではない、特別目的会社(SPC)が、許可を受けるのは困難だ。そのため、不特法事業に出資しようとする投資家は、許可を受けた不動産会社などの事業者自体のリスクに関する判断も求められ、資金が集まりにくい面がある。
こうしたことから、国交省では不特法改正を検討。不特法事業者への委任などを条件に、倒産隔離されたSPCによる資金調達を可能にする新スキームを追加する方針だった。新スキームにより、投資家のリスクを軽減し、資金調達を円滑化。不動産の再生などを促し、不動産投資市場活性化へもつなげる狙いがあった。
しかし、国交省によると、改正案検討の中で、金融庁は新たに創設するスキームによる不特法商品の販売・勧誘に関しては、金商法の規制を受けるべきと指摘。一方、国交省はそれに反対。金商法の規制対象になると、不特法事業者であっても、同商品を販売するためには、金商法に基づく登録を受ける必要があり、余計なコストを求めることになる。併せて、不動産の知識の薄い証券会社が、不特法商品の販売・勧誘を行う可能性もあり、投資家のリスクにもつながるのではないかと判断したためだ。
この点について、両省は議論を続けていたが、折り合いがつかなかったという。













