大言小語 『追い出し規制法』を憂慮
住宅新報 2011年1月25日 号 1面
国会が始まった。不動産業界最大の関心事は「賃貸住宅居住安定法案」の動向だ。俗称「追い出し規制法」などとも呼ばれるが、正式名称の冒頭には「賃借人の居住の安定を確保するための」とある。つまり、その眼目は賃借人の居住安定だ。もとより、居住の安定は人間が生活していくうえで最も重要なことである。だから日本は正当事由制度で借家権を強力に保護している。
▼弱者は借家人で貸主は強者であるという考え方が根強い。しかし、貸主といっても大資産家がいる一方で、4戸程度の老朽化したアパートしかもっていない家主もいる。昨今の空室増加で経営が悪化し、建て替えはもちろん、修繕費さえねん出できずに放置されているかのような物件も増加している。住宅・土地統計調査によれば賃貸住宅の空室は400万戸以上だ。その多くが零細家主の物件であることは容易に想像できる。
▼今、賃貸市場に求められる政策は設備や間取りが陳腐化した老朽ストックの再生を促進することである。そのためにはリフォーム事業などに対する補助と共に、増加している滞納家賃を正当かつ円滑に回収できる仕組みを構築し、賃貸経営を後押しする必要がある。













