リビタ 再生物件に「太陽光」搭載 元住吉のマンション CO2削減分、対価で還元も 東京電力グループで共同
住宅新報 2010年12月14日 号 14面
東京電力グループで、中古再生事業を手掛けるリビタは、川崎市の1棟丸ごとリノベーションマンション「リノア元住吉」で、専有部分の電力を太陽光発電で賄うシステムを採用した。リノベーション物件としては初めてと見られる。また、二酸化炭素排出量の削減分を炭素クレジットとして買い取り、管理組合に対価が支払われるサービスについて、同じ東電グループのファミリーネット・ジャパンと共同導入した。両社は、「東京電力グループが掲げる『低炭素時代をリードする』という新たな社会・環境貢献を追求し、それを企業収益と両立させることで持続的な成長を目指す」としている。
「リノア元住吉」(交通=JR南武線武蔵中原駅徒歩14分)は、89年に建築された5階建ての物件で、社宅として使用されていたもの。リビタが1棟ごと買い取り、建物調査・診断のうえ専有部分を自由設計できる「1棟丸ごとリノベーション」として分譲した。
管理室などを除いた住戸数は24戸(専有面積69-73平米)で、8月に販売を開始し約1カ月で全戸完売。販売価格は、標準設計プランで3180万-3990万円(中心価格帯=3300万円台・3400万円台)だった。
大きな特徴として挙げられるのが、住戸(一部)に個別売電可能な太陽光発電システムを採用したことと、二酸化炭素の排出削減量について「炭素クレジット取引サービス」を導入したことだ。
太陽光システムは、最上階の4住戸で採用した。「横989ミリメートル×縦1655ミリメートル」のパネルを1住戸当たり14枚割り当て、共用部分の電力用パネルと合わせて70枚を屋上部分に設置。昼間に発電する余剰電力は電力会社に売電でき、同社の試算では売電額は各戸平均1万円程度(月額)になると見ている。
万一のパネル故障については、メーカーの「10年保証」で対応する。また、4住戸から別途徴収する1戸当たり月額870円を維持費に充当する方針だ。
この太陽光発電システムと共に、共用部分に導入するLED照明で削減される二酸化炭素排出量を、炭素クレジットとして取引して管理組合に対価が支払われるサービスが「炭素取引クレジットサービス」だ。
ファミリーネット・ジャパン(FNJ)が開発したエネルギーの見える化システム「ミエコ」の計測により、排出削減量の環境価値をFNJとリビタが共同で認証機関に申請。承認を受けた排出削減量をFNJがマンション管理組合から炭素クレジットとして買い取り、組合に対価を支払うといった流れだ。
太陽光システムとLEDの導入により、およそ年間6トンの二酸化炭素を削減でき、管理組合には年間約9000円が入金される予定だ。FNJは買い取った炭素クレジットを、国の削減分として無償提供する。FNJとしては、今回のようにネットインフラを活用したマンション向けの環境貢献サービスを、今後も積極的に手掛けていきたいと話している。物件全体で環境配慮
また、同物件はオール電化に改修し、全戸標準で高効率給湯器の「エコキュート」を導入した。今回の炭素クレジットの対象にはならないものの、二酸化排出量をガス・電気併用型に比べて約21%削減できるという。更に、全戸の窓を複層ガラスに改修し、断熱性能を向上させた。建物全体の省エネに対する取り組みで、「住みながら、無理しない二酸化炭素の排出削減」を提唱する。
そのほか、もともと8台分あった駐車スペースを4台に縮小し、代わりにカーシェアを導入するなど「車を極力使わない生活による環境貢献」も提案。駐車スペースを縮小した分、これまでなかった「ゴミ置き場」「共用倉庫」「お湯が出る共用水栓」などを設けた。
リビタが手掛けた「1棟丸ごとリノベーション」は、今回で14棟目。「1棟」だからこそできる特徴的な取り組みを、今後も継続していく方針だ。













