宅建試験ガイダンス(5) 合格はもう君の手に
住宅新報 2010年12月14日 号 6面
前回に引き続き、宅建試験にどういう問題が出るか見ていこう。今回登場するのは、かなり骨のある問題だ。判決文から出題
今年の試験の問9、民法の債務不履行に基づく契約解除に関するものだ。とにかく、一目見て、問題文が長い。それから、耳慣れない用語がだいぶ出てきているように思われる。
内容も複雑だ。まず、ある判決文が出され、それに基づく理論から考えて、その意見と異なるものを見つけるという、かなり高度な出題だ。ここ最近出題されるようになったもので、かなりの受験生が苦労している。
まだ、学習を始めたばかりだから、今は解こうとしなくてもかまわないし、恐れることもない。「こんな問題が出る資格なんて太刀打ちできないな」と思う必要もない。半年後には、この問題を解くコツも分かってくる。4肢択一ではあるが
さて、前回掲載した問1も今回の問9も選択肢が4つあって、うち1つを選ぶ形式。いわゆる4肢択一形式だが、中には、ちょっと変則的な出題もある。それについて見ていこう。
下の問題は問32、宅建業法分野の出題である。ちょっと見ると肢がア・イ・ウの3つしかないようだが、そのうち正しいものはいくつあるかというもの。問9に比べると簡単そうだが、そう一筋縄ではいかない。消去法が使えない
こういう形式の問題がやっかいなのは決め打ちができないことだ。つまり、問9なら誤りとまではいえない選択肢を外していく作業をして、最終的により誤りだと思われるものを選べばいい。
しかし、問32だと、個々の肢の正誤をしっかり判別しないと、最終的な正しいものの数が出てこないので、消去法が使えないのだ。すると、すべての記述を読み込む必要があるので、解くのに時間が掛かる。出題者側から見れば、時間を使わせる問題といえよう。(正解は、問9が(2)、問32が1)
さて、5回にわたって行ったガイダンスも今回が最終回。宅建試験がどのようなものか、つかめてきたのではないだろうか。これからは、学習と問題練習あるのみ。皆さんの健闘をお祈りします。【問
9】
契約の解除に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。(判決文)
同一当事者間の債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約といった2個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連付けられていて、社会通念上、甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、その債権者が法定解除権の行使として甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。1
同一当事者間で甲契約と乙契約がなされても、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていないのであれば、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除できるわけではない。2
同一当事者間で甲契約と乙契約がなされた場合、甲契約の債務が履行されることが乙契約の目的の達成に必須であると乙契約の契約書に表示されていたときに限り、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。3
同一当事者間で甲契約と乙契約がなされ、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていても、そもそも甲契約を解除することができないような付随的義務の不履行があるだけでは、乙契約も解除することはできない。4
同一当事者間で甲契約(スポーツクラブ会員権契約)と同時に乙契約(リゾートマンションの区分所有権の売買契約)が締結された場合に、甲契約の内容たる屋内プールの完成及び供用に遅延があると、この履行遅延を理由として乙契約を民法第541条により解除できる場合がある。【問
32】
宅地建物取引業者Aがその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。ア
Aが行う広告については、実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないが、誤認させる方法には限定がなく、宅地又は建物に係る現在又は将来の利用の制限の一部を表示しないことにより誤認させることも禁止されている。イ
Aがテレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり法の規制の対象とならない。ウ
Aが行う広告については、実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示であっても、誤認による損害が実際に発生しなければ、監督処分の対象とならない。1
一つ
2
二つ
3
三つ
4
なし













