都市再生に海外資金導入へ 政府 民間開発推進で環境整備 都市再生基本方針、改正案まとまる
住宅新報 2010年12月14日 号 1面
都市再生に向けた取り組みの共通指針として政府が定める都市再生基本方針(今週のことば「2面」参照)の見直しを進めている、内閣官房地域活性化統合事務局の有識者会議は12月6日、都市再生基本方針の改定案をまとめた。改定案では、都市再生に向けた重点施策として、医療・福祉サービスの的確な提供や環境負荷の低減のほか、安定的な民間都市開発推進のためのファイナンス環境の整備を明記した。11年1月7日まで、一般からの意見募集を行い、同1月中の閣議決定を目指す。なお、12月中旬をメドに不動産投資市場の戦略の策定を予定している国土交通省は、12月7日に公表された金融庁のアクションプラン中間案と同基本方針を踏まえた形で、戦略の検討を続けている。
(2面に関連記事)
都市再生基本方針の見直しは、6月に閣議決定された新成長戦略に大都市の成長戦略の策定が盛り込まれたことを受け行われたものだ。
改定案では、「都市開発に対する民間投資が持続的かつ円滑に行われることが必要」として、ファイナンスの環境整備を重点施策の1つに掲げた。これはリーマンショック後に、キャッシュフローが安定し、損益面も黒字が確保されているJリートの資金繰りがひっ迫したことや、ミドルリスク資金の供給縮減に伴い不動産投資市場全体が縮減したことなどが背景にある。リファイナンスを必要とする頻度の少ない長期の資金や確保が困難なミドルリスク資金について、安定的に資金供給が行われる環境整備を進めるとした。
この整備に当たっては、年金基金や個人資産など国内の資金の積極的活用と併せて、海外投資家の資金導入の促進を重要視。海外投資家による投資を円滑化するための環境を整備するとしている。
同時に、Jリートなどの安定稼働に移行した不動産を購入できる主体についても円滑に資金供給が行われることが必要として、投資家のニーズに沿った的確な情報提供や商品開発を促進することにより、不動産投資市場の活性化を図るとしている。
そのほか、都市再生に向けた重点施策は、これまでのハード面中心の都市整備だけでなく、ソフト面の充実を意識した施策や、少子高齢化などの社会情勢の変化を踏まえた施策を位置付け。都市のコンパクト化▽環境負荷の低減▽医療・福祉サービスの的確な提供▽ニュータウンの再生--などを盛り込んだ。
都市のコンパクト化では、都市計画の的確な見直しや、既存住宅の流通、リフォーム市場の整備や定期借家制度の普及などを通じた既成市街地の空き家活用を推進すると明記。環境負荷の低減では、老朽化オフィスなどの規制・制度改革を通じた低炭素型への更新や住宅・建築物のゼロエミッション化を記した。
また、医療・福祉サービスの的確な提供では、生活支援サービスと一体となった高齢者向け住宅の供給推進を提示。ニュータウンの再生では、医療・福祉サービスの的確な供給やコミュニティの再構築などを特に重点的に実施する必要があるとしている。都市再生緊急整備地域
整備方針見直しへ
基本方針の改定が閣議決定された後、それを踏まえ、現在65地域指定されている都市再生緊急整備地域の整備方針の見直しも進める方針。それぞれの整備方針について具体性が高く、幅広いものに改める。加えて、整備地域の指定自体の見直しも必要に応じて実施するという。
同地域は、政府が施策を集中的に実施すべきエリアとして指定しているもの。同地域で民間都市開発を行おうとする場合、その事業計画について国土交通大臣認定を受けると税制特例などが受けられる。
また、国交省は11年度に、都市の国際競争力強化に繋がる特別の地域として特定都市再生緊急整備地域(仮称)を創設する方針。65地域ある都市再生緊急整備地域の中から指定される見通しで、特定地域に指定された地域の整備方針には、特定地域としての方針も盛り込まれると見られる。特定地域での事業に対しては税制特例などを更に深堀りしたい考え。













