田原祐子が教える-- 部下をやる気にさせる究極のマネジメント力 (6)
住宅新報 2010年12月7日 号 7面
時代は『女性化した社会』に
部下指導は「母親的要素」で
嘆くよりも対応力を養成しましょう
今、社会全体が『女性化』しつつあると感じています。コミュニケーションや人と人との関わり方が『女性的』に変化してきているのです。
例えば、Twitter(ツイッター)、ブログ、ミクシィ、Facebook(フェイスブック)など、インターネットを介した新しいメディアである「ソーシャルメディア」の普及もその1つです。これらは、テレビやラジオ、新聞などに代表されるこれまでのメディアと異なり、一方通行の発信ではなく双方向性があり、多数の人々が参加してコミュニケーションを楽しんでいます。会話やおしゃべりというと女性の特権のように思われがちですが、ソーシャルメディアでは、女性だけでなく男性たちも積極的に発言し、デジタル上では男性も『おしゃべり』になってきています。ファッションも変化
更に、こうした男性たちの変化に着目すると、女性と同じようにファッションにこだわり、化粧をする男性も増え、『草食系男子』なる言葉も聞かれる今日。職場では『男性たちが、女性化している』と嘆く声をお聞きすることも少なくありません。上司に叱られれば涙ぐみ、難しい仕事を振られれば拒否し、思いきったことに踏ん切りがつかず、判断力も行動力も不足気味だと言うのです。
しかし、そうしたミクロ的視点で「男性たちの変化」だけをとらえるのではなく、「社会全体」や、ソーシャルメディアに代表されるように、「コミュニケーションの取り方」や、「人と人との関わり方自体」が大きく変化していることを理解しなくてはならないのです。
『女性化した社会』の中では、男性的で一方的なコミュニケーションは通じません。たとえば、ブログでキツイひと言や攻撃的な発言をしたことから、『ブログ炎上』するほどの波紋を呼び、そのブログ自体が削除されるという事件もあります。これは極端な例ですが、部下指導においても、ただ厳しく叱咤するというこれまでのやり方では、部下が育たないばかりか、部下の心が離れてしまいかねないのです。きめ細やかに対応
『女性化した社会』においては、部下指導も父親的要素だけでなく、母親的要素を取り入れた、きめ細やかで愛情深い関わり方が必要です。具体的には、部下に指示を出したり仕事を教える際は、「細やかに」「結果だけでなくプロセスを重視し」「フォローまで面倒を見る」こと。声がけをマメにして、常に気にかけ、褒め、相手との共感を得ることがポイントです。
自分たちが若い時分、先輩に厳しく指導された上司の世代は、部下に対してこのように接することに嫌悪感を感じる方もあります。しかし、こうした変化の根底には、高度成長期に男性が昼夜を問わず身を粉にして働き、家庭が『父親不在』の状態となり、母親が寂しさから子供に過干渉になってしまったことも要因であり、まさに、その時の『揺り戻し現象』が起きているのです。
また、部下だけでなく、お客様自体も、こうした流れの中で変化している今、お客様とのコミュニケーションの取り方も大きく変わってきています。
『女性化する社会』への対応力を養わなくては、人も企業も生き残ってはいけないのです。
次回は、若手社員を育成するための考え方についてお話しします。
(たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)













