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スタンダード会員限定機械式駐車場との付き合い方(上) 「修繕金不足」対処法は使用料の積み立てが前提

住宅新報 2010年12月7日 号 4面

 「修繕の段になって、資金不足が判明」--。分譲マンションに付設された駐車場を巡り、多くの管理組合で問題が起きている。加えて、若者の『車離れ』などから空きが増加。難題が山積みの駐車場に対する、最善の措置とは何か。

 近年竣工した分譲マンションに多く見られるのは、「機械式駐車場」と呼ばれる立体構造の形態だ。機械が車を搬送する仕組みで、限られた敷地でも収容台数を確保できることから、90年代以降急速に普及した。現在駐車場トラブルが多発している背景には、歴史が浅いことによる認識不足がある。

 中でも特に深刻なのが、会計にまつわる問題。駐車場整備に関する調査研究を行う(財)駐車場整備推進機構(東京都千代田区)には、管理組合から「修繕費用が足りない」、「(業者に提示された)修繕費の見積り額が高すぎる」といった相談が、頻繁に寄せられるという。機械式駐車場の耐用年数は20年程度とされるが、実際には時期が来ても、必要最低限の補修を施して延命を図るケースが少なくないとみられる。徴収後の使途

 「管理費」なら要注意

 なぜ、資金不足に陥るのか。まず考えられるのが、駐車場使用料の使途に問題があるケースだ。徴収した使用料を管理費と修繕積立金のどちらに回すかはマンションによって異なるが、管理費に含めた場合、修繕資金を貯めることは当然できない。その状態で修繕時期を迎えると、建物全体の修繕積立金などからねん出するしか手立てがなく、駐車場の恩恵を受けていない非利用者から反対意見が出るのは必至。また、使用料を修繕積立金に含めていたとしても、実際の修繕費が積立額を上回れば同じ結果を招く。つまり、修繕に備えて『適切な』金額を『適切に』積み立てる必要がある、ということだ。修繕・維持管理の総額を知ること

 それを実践するために用意すべきなのが、「長期保全計画書」。約20年の使用期間中に必要な修繕内容や概算費用などをまとめた一覧表で、管理組合や管理会社が、製造元に作成を依頼するのが一般的だ。同機構の跡部元司調査役は、これを基に逆算して毎月の使用料を設定すれば、「修繕費を十分まかなうことができる」と指摘する。

 跡部氏によると、一口に修繕と言っても種類がある。まず、5年ごとにセンサー類や電球などを交換する小規模な修繕。設置から10年後には、それらに加えて制御盤やモーター類などの重要部品を取り換える、いわゆる大規模修繕を行う。そして20年後を目途に、部品を総入れ替え。このほか、3カ月に1回程度の定期点検も欠かせない。以上に要した費用の合計が、約20年間で必要な維持修繕費の総額となる。駐車場装置そのものの価格を100万-110万円とした場合、1台当たり200万円程度だという。ここから割り戻すと、月額使用料は1万円を切る計算だ。実際には、駐車場の種類や立地条件により違ってくるが、駐車場を維持するための必要経費を把握したうえで、使用料の額に根拠を持たせること自体に意味がある。

 ただ、問題はある程度築年数を経た段階で表面化するのが通例。建物診断センター(東京都千代田区)の澤田博一代表は、「まず使用料の会計を見直し、管理費と別にすること。それから維持修繕費の予測を立て、使用料を改定するべき」と指南する。大てい値上がりすることになるが、取り組まないことには前に進まない。

 資金不足の解決に特効薬はなく、地道な積み重ねで打開策を講じるしかないようだ。

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