『非上場リートの魅力』 野村不動産投信 緒方敦社長に聞く
住宅新報 2010年12月7日 号 3面
限りなく不動産実物投資を追求
資産運用に新たな戦略
日本初のオープン・エンド型となる非上場私募リート「野村不動産プライベート投資法人」(NPR)の運用がスタートした。野村不動産グループが資産運用ビジネスの新たなカテゴリーに位置付けた戦略商品で、いわば『期限のない私募ファンド』と『上場していないリート』という2つの長所を持った不動産投資商品だ。「投資家からは、価格変動リスクが小さい商品特性が高く評価されている」と語る運用会社の野村不動産投信・緒方敦社長にNPRの運営方針や最近の投資需要などを聞いた。
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当社は、それぞれ残高が5000億円を超える私募不動産ファンドと上場Jリートも運用している。私募ファンドがキャピタルゲインも狙ったプロフェッショナルの投資家向けなのに対して、上場リートは流動性が高く幅広い個人投資家も対象にしている。例えば退職金をJリートで運用し安定した分配金を求める投資家なども含まれるインカムリターン重視がリートの特徴だ。
不動産投資市場が成長してきた過程でどちらの投資商品にもメリットもデメリットもあることが分かってきた。そうした中で、年金などを中心に改めて本来の不動産投資のメリットをより高く享受したいという需要が新たに台頭してきた。こうした需要に対し、「不動産実物投資」をコンセプトに両者の長所を併せ持たせることで、投資口価格の安定性を確保しつつ年4%程度の分配金利回りを確保できる商品として設計した。
例えば、生保のような不動産投資のプロは一定の規模もあって現物投資のほうがいいという判断をするが、年金をはじめとする多くの機関投資家はノウハウも少なく、ポートフォリオも大きくない。実際に行われている現物投資を見ても心配になるような事例も多く見受けられる。
更に今後、経済成長がそれほど望めない中では、当然オフィスマーケットも全体として需給のバランスがとれなくなる可能性が高い。だからこそ局所的かつ物件を厳選した競争力の高いアセットの運用が重要になってくる。
現在ハイレベルなビジネスを展開しているJリートがその好例で、仮にマーケットトータルの需給が弱くなっていったとしても、Jリートの資産に限れば景気が上向くとオフィス需要は高まり収益力も連動する。そこに収益力と評価を安定させたポートフォリオを組んだNPRのような不動産投資商品の需要がある。年金などの投資規模にも適した投資商品として仕上がったと思っている。
NPRは野村不動産から取得するオフィスと賃貸住宅約400億円規模で運用を始めたが、総合型を標榜しているので商業施設や物流施設も今後組み入れていくことになる。対象地域は限定していないが、当面は首都圏中心に資産を取得する考えだ。
運用当初の投資家は約20件ほど。年金をはじめ中央の機関投資家、地銀などが中心となる金融機関が、それぞれ金額ベースで3分の1ずつの割合だった。価格変動リスクが小さいことを高く評価してくれた地域の金融機関が思った以上に多かった。また現在は投資に慎重姿勢を見せている機関投資家も、今後の実績に応じて徐々に増えてくることが見込まれる。分散効果と流動性を高めていく観点から、上場リートと同様に継続してポートフォリオの拡大に努める方針だ。目安としては早期に1000億円規模、引き続き2000億、3000億へと拡大、成長を目指す。













