片付けられない人のための20のこと 第4回 自分を再発見する
住宅新報 2010年12月21日 号 13面
□50歳を機にリセット
持田春子さん(仮名)は50歳になる専業主婦。ご主人は、有名料理店のシェフをしており、独立をきっかけに店と兼用の一戸建ての新居を建てたのが、2年前。しかし、オーナーシェフの道は険しく、お店は倒産、新居も手放し、都内の貸家に移りました。不幸は重なります。ご主人が交通事故に遭いました。
ところが、事故の慰謝料で、また新たな一戸建てを買うことが出来て、最近、埼玉の郊外に引っ越してきました。
「人生には、上り坂と下り坂がある。私には『まさか』という坂がありました」
春子さんは、自分の人生を波乱万丈だと考えるあまりに、うつ病になってしまったのです。症状は、買い物症候群と呼ばれるもので、不安の裏返しが衝動買いに走らせました。不必要に買ったモノを片づけ出来ない「片づけられない症候群」も引き起こしました。症状が軽い時は、パートに出るようになり、そんな時、雑誌の記事を見て、私に連絡をしてきたのです。
「50歳を機に、人生をリセットしたい」
自分の人生を初期化して、ご主人が独立した時の生活を取り戻したいと相談に見えたのです。
お会いすると、春子さんは「肝っ玉母さん」を地でいく、エネルギッシュな雰囲気です。実は、活発で外交的な方が意外に「片づけられない症候群」に陥りやすいことがわかっています。いわゆる「外面」がいいため、「八方美人」に陥り、自分にプレッシャーをかけすぎて、「家の内」がおろそかになるのです。
お子様も独立され、ご主人と二人の自宅は足の踏み場がないほど衣類で埋まっています。ケースにしまった衣類は、ほとんどが新品ばかりで、積み上げると天井に届きます。「一年は、洗濯しなくてもいい」というほど、使い捨てでも十分な衣類の量です。私は春子さんの気持ちを切り替える方法として、「自分再発見」を勧めました。□生活を質素に減量
「自分の過去を振りかえると、苦しいこともあったけれど、よく乗り越えられてきた」こともわかる。そして、話していると、春子さんは「私って、運が強い人間ね」と、自分の過去と向き合うことを受け入れてくれました。
ご主人と二人きりの生活だから、「生活を質素にダイエットしましょう」と、モノの豊かさから質へと切り替えることにしたのです。「買っているときは、『溜める』ことに満足していたけれど、次第にモノが負担となっていった」。春子さんは、リセットしてみて、モノに隠されていたスペース(空間)と時間の豊かさを取り戻しました。













