紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第74回 坂口有吉
住宅新報 2010年11月2日 号 5面
「理解に苦しむ同業者の発言」
入居者に『更新拒否』入れ知恵
私のブログは、家主さんや入居者やお客さんもご覧になっていたりする。積極的にPRしているワケではないが、ま、発見されてしまうし本人には分かるから、自分が褒められている記事ならともかく、悪い例として書かれていたなら平穏でいられるはずもない。2年に1度くらいはトラブルも起きるし、その覚悟もしている。
で、先日、私が記事で厳しく批判した入居者が、それを理由に「更新するけど更新料は払わない」と言ってきた。その是非は別にして、話し合いの中で気になることがあった。「知り合いの不動産会社社長や弁護士に尋ねたら更新料は払わなくていい。更新契約しなくても自動更新と見なされると言われた」と言うのだ。見識疑う
おかしな話である。何がか、と言えば、今、賃貸管理をしている不動産会社は、各地で起こされている更新料を巡る裁判の結果やマスコミの報道などに神経を尖らせていて、ある意味とても神経質になっている。こんな時期に同業者がそんな無造作なアドバイスをするものだろうか、ということだ。「更新を拒否しても自動更新したことになる」なんて話も素人としか思えない。
ただ、先日の入居者は、そういうことで嘘をつく人物ではない。弁護士に相談したかどうかは眉唾っぽいが、知り合いの不動産会社社長に尋ねていると思われる。そして、もし「更新料は払わなくていい」と本当に言っていたとしたら、率直に言って、その不動産会社社長の見識を疑ってしまう。更新料の是非はともかく、今までの経緯や実情を正しく認識して、仲間の事情に配慮ができるなら、そんな無造作な発言はしないものだろうから。言い切る弁護士
実は、先日、一般消費者から賃貸会社とのトラブルの相談に乗っているNPO団体の関係者の人と話す機会を得た。一般的な弁護士なら簡単には言わない「更新料は払わなくていい」などということを、ある特定の政治思想を持っている弁護士は言い切るらしい。まだ最高裁の判断が出ていない係争中の事柄で、自分の解釈としてでなく断定してしまう弁護士がいるのは解せない。
人は相手の言葉から自分に都合よい部分だけ抜き出して都合よく解釈するもの。プロの発言には注意が必要だろう。
(坂口有吉不動産・社長)













