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スタンダード会員限定本音で語る今時の賃貸管理 「統一感見られない敷金精算」 宅建立川市部座談会 (上)

住宅新報 2010年11月30日 号 6面

 東京都宅地建物取引業協会立川支部(山田修平支部長)は、支部創立45周年を記念し広報委員会主催の座談会をこのほど支部事務所で開いた。テーマは「悪い世の中に生きる知恵、賃貸管理業者の生き残る道を探る」。地域に密着する賃貸仲介や賃貸管理を手掛ける不動産会社11社が、原状回復と敷金精算、空室や滞納など日頃の業務で生じる悩みや諸問題について活発な意見が交わされた。司会進行は広報委員会の鈴木健造委員長((有)スズキ・オフィス〈立川市〉)が務めた。この模様を2回にわたって掲載する。誤解多い東京ルール

 鈴木委員長

 「皆さんが日常業務で感じている賃貸の問題は何でしょうか」

 久住氏

 「やはり原状回復が大きな問題です。東京ルールができて管理業務の大きな流れはできました。しかし、敷金精算に統一感が見られないように、原状回復に実務上どう対応すべきか依然として確立されているとは言えません。多くが特約でクリーニング代や壁紙の張り替え代などを借主に負担してもらっています。家主の賃貸経営も考慮しなければならず、借主に相応の負担をお願いせざるを得ないのが実情ですが、会社ごとに対応も異なり、東京ルールが目指しているものとは違う気がします」

 東條氏

 「東京ルールの導入前から、当社は独自に東京ルールとほぼ同じ業務マニュアルに従って原状回復の対応をしてきました。そのため現在もほとんど業務上の違和感はありませんが、最近の傾向として原状回復や敷金精算に対する借主の意識が今まで以上に高くなってきたと感じています」

 「例えば、借主の都合で明らかに部屋を汚しているのに家主負担を主張する借主が多いのですが、借主が都合のいい部分だけを鵜呑みにしてしまい、東京ルールを誤解しているケースが大半です。こうした場合は改めて東京ルールを説明した上で、疑問が残るのなら消費者センターに相談するように勧めています。このように対応していると、まずその入居者から再度申し入れられることはありません」悩ましい清掃代

 久住氏

 「クリーニング代や畳の表換えの費用を請求され、どこまで借主が負担する必要があるのかといった相談が支部にも寄せられています。敷金の預かり金がそれほど高額ではないため、訴訟まで必要と思わない借主が多いことに、我々は胡坐をかいているのではないでしょうか。消費者が東京ルールを理由に敷金の全額返還を主張してきたら、当然裁判も視野に入れておくべきです。ただ事態を長引かせないためにも当社では家主に過去の判例を示して返金を説得するように努めています。消費者に納得してもらえるルールが必要だと痛感しています」

 鈴木委員長

 「賃貸管理の仕事は、1日の半分をこうした相談の対応やクレームの処理に費やしているのが実態です。他に良い対応策はありますか」

 東條氏

 「当社も基本的にクリーニング代は借主に負担してもらっています。その代り退室時にかかる概算の費用をあらかじめ伝えるようにしています。それでも退室時になってクリーニング代を負担することに理解が得られなければ、当社が掃除のチェックをすることを条件に借主に改めて掃除をお願いすると、ほとんど全ての入居者がクリーニング代の負担に納得してくれています」

 内野氏

 「畳の表換えは原則家主負担ですが、入居年数に応じて借主に相応の負担をお願いすることもあります。要は金額や意識の問題で、事前に費用負担を説明しておくこと、クリーニング代もワンルームなら3万円程度と許容範囲の金額にとどめ、入居者に心づもりを持ってもらうことがポイントです。基本的に清掃費は家主が払うことと、管理業者は認識すべきです」

 坂口氏

 「原状回復について当社では、借主がクリーニング代を納得して払ってもらえる説明で対処しています。契約時にクリーニング代は借主が負担することをお願いする代わりに、退室時は一切掃除はしないで済み、そのほうが入居者にも楽だと説明しています。その結果、ほとんどの借主はクリーニング代の支払いに応じてくれています。本質的な解決方法ではありませんが、クリーニング代を払うことのメリットを入居時に説明しておくことが大切だと思っています」

 秋葉氏

 「昔からの家主は、原則、清掃費は家主負担と捉えているケースが多いですが、近年借主に負担をお願いする傾向が広まってきたのだと思います。当社の管理物件で過去に、プロの業者並みにクリーニングして退室した入居者がいましたが、その時は家主に敷金を全額返済してもらうようにお願いしました。退室時は原則契約に則れば問題にはならないのですが、更新料については最近特に拒否する入居者が増えてきました。実際に更新料を払わないまま入居を続けているケースがあり、何のための契約なのか疑問に感じます」解約予告は?カ月前

 川並氏

 「最近2カ月前の退室予告が増え、仲介で苦慮しています。次に入居する部屋が入居審査が通った3日後に家賃が発生するため、転居で困っている入居者が増えているようです。せいぜい1カ月前が常識的範囲だと思いますが、これも東京ルールで決めてもらったほうがいいのではないでしょうか」

 坂口氏

 「2カ月前の解約予告が増えているのは、1カ月前に言われても次の入居者がすぐ見つからないためです。最近は自分の目で実際に内覧しないと契約しない人も増えているようですから、解約予告を長くしてもそれほど効果はないように思えます」

 「東京ルールのように不動産業界はいつも官製ルールに従っているところが問題だと感じています。業界が先んじて自らの痛みを伴ってでも改革していく姿勢をみせるべきです。やはり後手後手の対応は心象を悪くし、制度が機能不全に陥る懸念もあります」

 (つづく)

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