田原祐子が教える-- 部下をやる気にさせる究極のマネジメント力 (4)
住宅新報 2010年11月23日 号 20面
世代の「違い」は「個性」
『ダイバーシティ』の発想を
間違いなどは指摘しましょう
部下の指導やマネジメントに関しては、私自身、苦い経験を繰り返してきました。13年前会社を設立した時は、仕事に対する価値観が共有できる、私自身と世代の近いスタッフばかりでしたが、数年経った頃、徐々に若い世代のスタッフが入社し始めました。ちょっとした仕事に対するとらえ方が、これまでの世代とは微妙に異なり、こちらの思うように動いてくれないスタッフに対して、恥ずかしながら、正直言ってイライラしどうしでした。「最近の若い人は、こんなこともわからないのかしら?
常識がない…」などと、今では皆様に部下指導の際の『禁句』としてお話ししていることを、平気でしてしまっていたのです。そして、毎日毎日イライラやストレスは積るばかりでした。目からウロコ…
当時、あるアメリカ人のコンサルタントと親しくしていて、彼とよく、様々な人種が集うアメリカの生活や人々の暮らしなどについて、とりとめもない話をしていました。そして、ある日、イライラがピークに達していた私は、「部下が思うように動かない」という悩みを相談してみたのです。すると、まさに目からウロコが落ちるようなアドバイスをしてもらえました。それは、「YUKO、君とその部下とは異なる人間だよ。部下は君と同じ考え方を決してしないものだ。その人には、その人の『個性』がある。『違い』は『個性』でもあるんだよ。人間に、個性はあって当たり前だよ」というもの。それまで私は、自分の思い通りに部下を動かすことに必死になっており、この考え方にとても驚いたものです。
彼は、これは、ダイバーシティという考え方なのだと教えてくれました。ダイバーシティ(diversity)とは、多様性・相違点という意味。企業で、人種・国籍・性・年齢を問わずに人材を活用することであり、数年前から、企業経営にこうした考え方を取り入れることで、ビジネス環境の変化に柔軟、迅速に対応できるとされているのだそうです。違いを個性としてとらえ、人材を経営のリソース(財)である『強み』として生かすわけです。実は、このことがきっかけとなって、私はそれから、部下マネジメントに関する飽くなき探求を始めることとなったのです。20代と60代は違う
考えてみれば、前号の「世代別分析」でご説明したように、新入社員の20代と、熟年の60代では、生活全般や仕事、いや人生そのものに対する価値観に大きな差があるのですから、「自分の常識=相手の常識」と考える方が間違っていることを認識すべきです。そして、忘れてはならないのは、次の世代の担い手は、どうあがいても自分より若い世代に他なりません。認めるべきところは認め、間違いや同意できないところはしっかり指摘すること。気づいたら、竜宮城から帰った「浦島太郎」のようにだけはなりたくないものです。
次回は、コーチング、チームビルディングなどの、新しいスタイルの研修についてお話しします。
(たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)













