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スタンダード会員限定ニュースが分かる! QアンドA 「既存住宅瑕疵担保保険(個人向け)」の仕組みは?

住宅新報 2010年11月23日 号 20面

検査事業者が補償責任

 検査は2回、料金は各々で設定

 営業社員A「1件成約できそうな案件があるの。ただ、買主さんからすると、やっぱり他人の住んでいた家って、性能面で不安があるみたい。あと1歩なんだけど」

 同僚B「だったら、『既存住宅瑕疵保険』を勧めてみたら?

 お金はかかるけど、ある程度の安心が担保されるよ」

 A「でもそれって、売主が宅建業者の場合の商品でしょ?」

 B「個人間売買向けの商品もある。住宅専門の保険会社である保険法人6社のうち、4社で取り扱っているよ。販売が始まったのは今年に入ってからだから、実施件数はまだ少ないけれどね」

 A「勉強不足でした、スミマセン。ついでに仕組みを教えて!」

 B「これが複雑なんだ。まず登場人物を整理すると、(1)売主(2)買主(住宅取得者)(3)保険法人(4)検査事業者、の4者。ここで問題、『売主が宅建業者』向けの瑕疵保険商品だと、出てこないのは誰?」

 A「(4)検査事業者、かなあ。何者?」

 B「とりあえず正解。既存住宅流通の促進に当たって保険の普及は必要だけど、個人である売主に瑕疵担保責任を負わせるのは、酷な話だろ。そこで、実際の契約は保険法人と検査事業者が結ぶ仕組みを作ったんだ。住宅の引き渡し後に隠れた瑕疵が発生すると、被保険者である検査事業者が、その損害に対する補償責任を負う。この時、保険金は保険法人から検査事業者へ支払われるが、もし検査事業者が倒産している場合でも、買主に直接支払われることになっているよ」

 A「なるほど。そう考えると、シンプルだね。どんな業種の人たちが検査事業者になれるの?」

 B「建築士の所属人数や建物検査実績などに関して、各保険法人が定めた基準を満たしたうえで事前に登録する必要がある。全法人合わせて28社(11月1日時点)が登録済み。リフォーム会社や工務店、建物診断業者が多いようだね」

 A「検査事業者の説明は、分かった。次は保険適用の流れを教えて」

 B「売買契約を締結する前に、売主または買主が保険加入希望を検査事業者に伝える。これを受けて、検査事業者が保険法人に申し込む。その後、保険法人と検査事業者がそれぞれ実施する現場検査に、適合しなければならない」

 A「なぜ2回も?」

 B「目的が違うからだよ。保険法人は、保険適用の可否を判断するため。検査事業者は、自分たちが瑕疵担保責任を負うことが可能かどうか見極めるために行うんだ」

 A「ちょっと複雑だね。ところで肝心のお金は、いくら位かかるの?」

 B「保険料と、保険法人が行う検査料の合計は7万3000-7万5000円程度(延床面積120平米の戸建ての場合)だが、これは検査事業者の検査料や人件費を含まない額。最終的な金額は、検査事業者によってまちまちだよ」

 A「どういうこと?」

 B「検査事業者による検査は原則、保険法人が提示した項目基準に沿って行われる。逆に言うと、基準を満たしさえすれば、それを上回る内容の検査を行うこともできる。だから、例えば保険用の検査のみを行う基本プランだけでなく、床下まで潜る点検を加えたプランなど、事業者ごとに保険を組み込んだメニュー設定もできるというわけ」

 A「各事業者で特色を打ち出せるね。話を戻すようだけど、何年経っても、どんな瑕疵でも、それから金額はいくらでも保証してくれるの?」

 B「そんなわけないじゃん。引き渡し日から5年以内に、構造耐力上主要な部分(床、基礎、天井など)と、雨水の侵入を防止する部分(屋根、バルコニー、外壁など)で隠れた瑕疵が見つかった時に、1000万円を上限として支払われるよ」

 A「5年って短くない?」

 B「どうだろう。国交省では、保証期間の拡大を検討する話も出てはいる。もっと普及させるために、改善の余地はいろいろあるだろうね」

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