トラブルを未然に防ぐ! 不動産調査の実務ノウハウ(47)
住宅新報 2009年2月10日 号 7面
08(平成20)年11月25日、最高裁判所の藤田宙靖裁判長は、「京都府知事が基準時現在、京都市の区域において、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満1.8m以上の道で、袋路を除くものを一括して2項道路に指定した」ことにつき、次のような判決をしました。
「2項道路の制度は、建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で特定行政庁の指定したものを1項道路とみなすことにより、幅員4m未満の道に接する敷地上の既存建築物を救済するとともに、原則としてその中心線からの水平距離2mの線をその道路の境界線とみなすことにより、その境界線内の土地について道路内の建築制限(同法44条1項)を及ぼし、将来的に幅員4mの道路を確保するという公益上の要請を満たそうとしたものである」
そして、「2項道路の指定は、上記のように、これにより新たに道路敷となる土地の所有者等の権利を制限する側面を有しているのであるから、その要件該当性を判断するに当たっては、現に建築物が立ち並んでいる道の範囲を必要以上に広くとらえて関係者の権利を害することのないようにしなければならない」とし、「現に建築物が立ち並んでいる道に当たらない」として、京都府が敗訴しました。
公道、私道を問わず、不動産購入後に、敷地後退した部分の敷地を自由に利用できるかどうかということについては、消費者にとっては重要な事項です。
また、こんな事件があります。
敷地後退前の道路境界線上に、「タイヤ止め・ブロック塀・私有地につき関係者以外の立入り禁止の看板」などを設置したために、「軽自動車よりも大きな普通乗用自動車で本件道路を通行することができなくなった」ということで、訴訟になりました。
06(平成18)年3月23日、最高裁判所の甲斐中辰夫裁判長は、この事件で、「記録によれば、本件土地は公衆用道路として非課税とされていることが明らかであることをも考慮すると、被上告人らが、現に建物を所有しながら本件道路が2項道路であることを否定することは、本件道路周辺の建物所有者等との関係において著しく正義に反するものといわなければならない」とし、「信義則上許されない」としました。
つまり、「(2項道路の)敷地所有者は当該道路につき道路内の建築等が制限され(法44条)、私道の変更又は廃止が制限される(法45条)等の具体的な私権の制限を受ける」(平成14年1月17日、最高裁判決・藤井正雄裁判長)ことになります。
「所有権は残っていますから敷地後退部分は自分のものであるため、自由に利用できます」等と説明をして塀の工事を請け負う事例もあり、注意が大切です。
この2項道路は特定行政庁が指定するため、市区町村により基準時が異なっていることから注意が必要です。具体的な例としては京都市は50(昭和25)年11月23日、さいたま市は54(昭和29)年5月3日などとなっています。(エスクローツムラ代表取締役・津村
重行)













