ひと 「管理の現場に目を向けよう」 マンション管理員検定協会の理事長を務める 日下部 理絵さん
住宅新報 2010年10月19日 号 2面
94対6。マンション管理士の男女比率を示す数字だ。女性というだけでなく、同資格試験の実施初年度に21歳で合格した、希少な存在である。
『就職氷河期』ムードが漂っていた大学時代。資格取得を決意し、母親の仕事として身近だった不動産業系に的を絞った。
ところが、宅建試験の受験申し込み期間である7月は、大学生にとってちょうど夏休み前の試験シーズン。うっかり、願書の提出を忘れてしまったのだ。2年続けて申し込みそびれた時は、さすがに途方に暮れた。
そこへ飛び込んできたのが、『新国家資格誕生』の告知。マンション管理士…詳細はよく分からないが、宅建と似たようなものらしい。「これだ」。触れたこともなかった民法を一から学び、合格率7%の難関を見事突破した。
卒業後、管理会社での勤務を経て20代のうちに独立を果たす。今年7月には、管理員の資質向上を目的とする一般社団法人「マンション管理員検定協会」を立ち上げた(4面に関連)。来夏に予定する第1回試験の開催に向けて、現在、全力を注いでいる。
「管理員さんはマンションの『顔』。その存在は管理会社、マンション、地域のそれぞれにとってとても大きい。彼らが気持ちよく働ける環境を整えてこそ、居住者1人ひとりの満足につながる」。
01年施行のマンション管理適正化法に始まり、この10年で法整備が一気に進んだ。業界は、まさに発展途上だ。ここで1度、マンション管理の『現場』に立ち返ろう。協会設立には、世間へそう呼び掛ける意味を込めた。
10月30日に記念フォーラムを行う。同じマンション管理士だけでなく、税理士や1級建築士など、多くの専門職業家の仲間が講師として壇上に立つ。周りの支えに感謝しつつ、今の仕事に生きがいを感じている。かつて宅建の受験を申し込み忘れてしまったのは、天職に導く『神様の意図』だったのかもしれない。
(鹿島
香子)













