全国の中心市街地はいま にっぽん「地価一番」物語(27)栃木県・宇都宮市馬場通り丁目 日本不動産研究所
住宅新報 2010年10月12日 号 12面
「宇都宮ブランドの創出」
クルマ依存社会の功罪◇止まらない空洞化
「オリオン通りから老舗がまた…」「空洞化影響、また姿消す…」。宇〓宮中心市街地での店舗撤退を伝える地元紙の記事がこの1年間、よく見られた。10年地価調査では、宇〓宮を代表するアーケード「オリオン通り商店街」の調査地点が県内では最大の下落率となった。また、JR宇〓宮駅と東武宇〓宮駅とを結ぶ「大通り」沿いは、宇〓宮を代表する商業・事務所エリアだが、そこに位置する地価調査の最高価格地点(宇〓宮<県>5-2、地価公示の最高価格地<宇〓宮5-1>と同一)も下落幅が拡大し、中心市街地の地価は下げ止まりの兆しが見えない。
一方、宇〓宮中心部から南東へ約8キロ、北関東自動車道宇〓宮上三川インターに隣接する大規模開発団地「インターパーク宇〓宮南」地区には、北関東最大級のショッピングエリアが新たに形成されている。大規模ショッピングセンターを筆頭に、ホームセンターや家電量販店といった多種多様なロードサイド型店舗が集積。週末はファミリー層を中心に、滞在型ショッピングエリアとしてにぎわいを見せている。栃木県は、全国有数のクルマ依存型社会で、郊外の幹線道路沿いでのロードサイド型店舗の進出は活発で、撤退や新業態への転換も早く、常に消費者ニーズをとらえた出店が特徴的だ。
市は現在、「宇〓宮駅東口地区整備事業」を推進しているが、整備手法やスケジュールの詳細は未定で、駅前の区画整理された広大な土地が低層店舗、時間貸し駐車場として暫定利用されている。また、新交通システムの導入構想や、新たな市街地再開発事業の構想もあるが、実現の可能性は不透明で、中心市街地の都市基盤整備には、やや手詰まり感があることは否めない。
このような状況の下、宇〓宮市は、中心市街地活性化の一環として、出店補助金などによる空き店舗対策や、若年夫婦世帯への家賃補助による中心市街地への定住促進を実施している。◇魅力を県内外にアピール
また、餃子や大谷石などの物的資源やまちづくりに携わる市民の人的資源といった宇〓宮特有の地域資源を活用した「宇〓宮ブランド」の創出に積極的に取り組んでいる。
今後、東京都心部への通勤可能エリアとしての地の利と、豊かな自然や歴史遺産と隣り合わせの宇〓宮ならではの魅力を県内外へ更にアピールし、商業収益の裏付けとなる、更なる定住促進と人口増加が、まずは期待される。
((財)日本不動産研究所宇〓宮支所、不動産鑑定士・永井正義)













