アカデミーヒルズ 大混迷解消に向け議論 竹中平蔵氏「成長こそが解決策」
住宅新報 2009年1月13日 号 5面
森ビルが運営するアカデミーヒルズ(竹中平蔵理事長・慶大教授)は1月5日、六本木ヒルズ森タワーで「大混迷2009年の政治経済」と題してフォーラムを開催した。竹中氏が率いるポリシーウオッチのメンバーらが登壇し、今後の政治経済のあり方と対応策について議論した。
竹中氏は、冒頭の問題提起で、政策問題では「成長こそ最大の解決策」という視点を提示し、市場の活力の重要性を訴えた。
そのうえで竹中氏は、アメリカの経済見通しについて、「オバマ期待が強く、経済スタッフがベストなので危機を乗り切れると思う。ただ、サブプライムローンなどの資産査定の厳格化の問題が残っている。日本の不良債権処理を成功させてきた日本のチームをアメリカに送り込んでも良い」とした。日本経済の短期的な景気については、「この際、20兆-30兆円あるといわれる埋蔵金をすべて金融政策に使うべきだ」と述べた。また、労働市場の問題については、格差を解消するのではなく、貧困解消に力を入れるべきだとした。
ポリシーウオッチのメンバーであるモルガン・スタンレー証券の経済調査部長ロバート・フェルドマン氏も、「日本の整理再生機構やりそな銀行の例をアメリカのビッグ3の問題にも参考にすべきだ」とし、格差問題については「アメリカでは格差の意味は日本と全く違う意味で議論される。アメリカでは働いたことと受け取る報酬が全く違うことが格差だと認識されている」と指摘した。
ゲストの高橋洋一東洋大学教授は、現在の金融危機の対策として、金融の量的緩和、日銀券ではなく政府紙幣の発行、埋蔵金の活用を挙げた。政府紙幣の発行は現行法ででき、デフレ時には有効と説明した。
経営共創基盤の冨山和彦社長は、「1500兆円の金融資産があるのにリスクマネーが全く出てこなくなった。今後新たな成長産業を盛んにする上でエクイティー性のリスクマネーが必要だ。リスクマネーを出したときに税制上有利にしないといけない。また、埋蔵金を貧困の解消や成長分野に投じるべき」との方向性を示した。













