各社年頭訓示
住宅新報 2009年1月13日 号 5面
逆境時に布石を打て
森稔・森ビル社長
世界的な金融危機の中で、今年は、まず第1に足元を固める年としたい。業務の合理化、効率化から人員の適正配置も含め、これまでの延長ではなく、全く新しくクリエイティブかつ挑戦的な取り組みで、組織基盤の徹底的な強化を図っていく。一方で、開発事業の手を休めるということではない。これまでも、我々の手がけた再開発事業は、不景気の時期にまとまって前進してきた歴史を持つ。我々にとって、厳しい時代はピンチではなく、先を見据えた確かな布石を打つ大きなチャンスである。東京が、世界、そしてアジアに遅れをとらないためにも、今こそ「アーバン・ニューディール政策」を実行に移すべく、都市のグランドデザインを描き、これからの知的な高度サービス産業の時代にふさわしく、環境、安全、文化、教育面にも優れ、世界中から人々が集う、快適でタイムリッチな21世紀の新しい都市国家の創造を目指す。この5年、10年はとても大事な時期となるが、我々がかねてより提唱する「ヴァーティカル・ガーデンシティ」構想に基づく都市づくりを積極的に進めることで、日本の未来に貢献していきたい。好機の芽、見逃すな
森章・森トラストグループ代表
現在の経済情勢は、当初予測した範囲の中でも最悪のシナリオに近い情勢と言え、現時点の環境を前提とした経営を行う必要がある。当グループでは、3月に「丸の内トラストシティ」のグランドオープンを控えているほか、「仙台トラストシティ」の開発を進めている。東京・京橋地区や、「虎ノ門パストラル」跡地再開発計画も抱えており、それらを順次稼働させていくことで、賃貸事業の強い基盤を維持していく。同時に、生産性向上を図り、先手を打った資産整理を行いながら、厳しい経済環境にも耐え得る組織体を構築していく。その一方で、次に訪れる新たな時代のチャンスの萌芽は見逃さない姿勢で臨む。現在は、従来の輸出主導型経済から円高・低金利を前提とした内需拡大型経済への大きな転換点ととらえている。海外への投資も含め、こうした事業環境を踏まえたビジネスをグループ事業として取り込むことで、次代を見据えた事業ポートフォリオの構築も行っていく。「信用」の重要性が高まっている時代情勢の中で、これまでと同様に信頼される企業体を維持・推進しながら、ビジネスパートナーと共に新時代の共栄のビジネスモデルを創造することを目指していきたい。













