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スタンダード会員限定不動産取引現場での意外な誤解 売買編(17) 予約が本来の目的以外に使われているとは?

住宅新報 2010年9月7日 号 8面

 予約には「一方の予約」と「双方の予約」、それに「片務予約」と「双務予約」の4通りがあると前回記されていましたが、このような「予約」が、本来の目的(将来、本契約を締結する)以外の目的に使われているとも聞きました。それはどういうことですか。A

 例えば「代物弁済予約」のように、金銭消費貸借における債権担保目的のために、予約契約の機能が使われているということです。Q

 代物弁済予約のほかにも、予約の機能を使ったものがありそうですね。A

 債権担保目的のための予約には、先程の代物弁済予約のほかに、「再売買の予約」とか、「売買契約」、「相殺予約」「保証予約」「債権譲渡予約」などといったものがあります。Q

 その「再売買の予約」というのは、どのような予約なのですか。A

 「再売買の予約」というのは、例えば金銭消費貸借における債務者が、債務を完済する際に、その担保のために債権者に売り渡していた不動産を買い戻す(再売買をする)ということを、あらかじめ約する契約(予約)なのですが、この手法は、民法579条の「買戻し特約」による担保的手法が、その要件の厳しさゆえに使いにくいということから、それを回避するための手法として使われるようになったと言われています。Q

 となると、「予約」の方法を使わない担保的手法もあるのではないですか。A

 その通りです。このように、「売買」とか「所有権の移転」というものを担保的に利用する方法の中で、「予約」という形をとらないで最も端的に機能させているのが「譲渡担保」という手法です。Q

 「譲渡担保」となると、仮登記担保法との関係で、最終的な清算義務の方はどのように取り扱われるようになるのですか。A

 譲渡担保の場合には、通常は予約と組み合わせた譲渡方法をとりませんので、仮登記をすることはなく、したがって、仮登記担保法による清算義務は生じませんが、公平の観点から、いわゆる「売渡抵当」と呼ばれているような完全所有権移転型の譲渡担保も含め、判例によって、債権者には常に清算義務があるとされています。渡邊不動産取引法実務研究所

 代表

 渡邊秀男

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