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プレミアム会員限定導入から10年、定期借家 普及率低くも広がる活用機会

住宅新報 2010年9月7日 号 5面

 00年の借地借家法改正による定期借家制度導入から10年がたった。ファミリータイプで良質な賃貸住宅の供給促進や退去に係るトラブルを抑制できる制度として期待されたものの、依然普及率は低調だ。今年3月にアットホームがまとめた定期借家の活用実態調査でも、居住用賃貸に占める定期借家物件数の割合は4.5%にとどまった。調査方法の違いはあるものの、07年の国土交通省調査による普及率5%と比べても大きな変化はうかがえない。

 実際に定期借家を活用した経験がある業者の利用状況は、(1)相続に備える(2)建て替えなどの計画がある(3)オーナーが再び住む可能性がある(4)学生や外国人入居者への対応などの理由が一般的だ。だが、近年はマンスリー物件や普及しはじめたシェアハウス、家具付き賃貸などでも活用が進んでいることが、不動産流通近代化センターの調査で明らかになった。

 同センターでは、更に賃貸人と賃借人が相互に対等な立場で契約できることや、再契約時に借家住戸の使用状況の確認などを定期的に行えることなどをメリットにあげて、一般の賃貸物件においても一部で前向きな利用が見受けられたとしている。

 こうした利用の背景には、「定期に契約を完全に終了させるというよりも、定期的に契約の当事者同士が契約内容、住戸の使用状況を確認するなど明確化を図る意味合いが大きい」ことがあると指摘。相続対策などで賃貸経営しているオーナーよりも、賃貸経営を事業としてとらえて収益を確保したい意欲的なオーナーのほうが定期借家活用に積極的な点にも表れているという。トラブルは起きにくい

 実務の専門家は定期借家制度について、「更新料問題や立ち退きの問題もない基本的にトラブルが起きにくい制度であることは間違いない」と指摘する。しかし、実際に契約業務をこなす不動産業者には、書類が増えて煩雑になることに難色を示したり、契約・更新をしっかりこなしていれば旧借家契約でも退去のトラブルはそう多くないという思いもあって、必要性に迫られていない現実もある。そのうえ、「悪質な入居者にも本当に定期借家は有効なのか」と危惧する声も聞かれる。ユーザーの不安払拭を

 「裁判で争われている更新料問題を機に、居住系で定期借家を使いたいのだがという質問や相談が増えてきた」と語るのは佐藤貴美法律事務所の佐藤貴美弁護士だ。更新ではなく再契約を繰り返す定期借家導入を検討する業者が増えているようだ。しかし、再契約の手続き、旧借家からの切り替え方、連帯保証人の扱いなどいざ直面すると迷う場面が多いことが利用を足踏みさせている要因だという。

 利用にあたっては、「一定期間で契約が終了するオーナー有利の面が強すぎて、借り手に不安を与えている。決して借り手に不利な契約でないことをしっかりと説明することも大切だ」と実務の専門家はアドバイスする。

 借り手の定期借家に対する知識不足、不慣れで煩雑な実務は避けたい業者側と、双方に普及を遅らせている原因がある。とはいうものの、普及率は低水準でも、空室対策の一手として期間を限定して大幅な賃料割引に際して活用したり、短期や特定層を対象にした賃貸借など状況や物件に応じて活用の幅が広がってきたことも事実。賃貸需要の多様化で、今後、活用機会は更に広がる可能性は高い。まずは契約関係書式を準備したり、実務知識を収集するなどして、来るべき時に備えておくことが必要だ。

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