大言小語 森と山のこと
住宅新報 2010年9月7日 号 1面
宮城県気仙沼市と岩手県一関市室根町を結ぶ環境と地域交流の活動がある。有名な「森は海の恋人」。気仙沼湾が汚染され、牡蠣の養殖に打撃を与えたとき、森林の荒廃も影響していると気付いた。海の人たちが呼び掛け、20年ほど前から、水源の山に広葉樹を植えて森を育てている。川の上流と下流、そして海と山は、生態系を含めて人々の暮らしと密接に絡む。水源の山を守ることが喫緊の課題に浮上している地域が増えているが、現実は十分とは言えない。
▼その原因の第一が林業の不振だ。そのため、人が入らない、放置されたままの荒廃した山が出現する。木材価格の低迷は30年ほど前から。品質、量、価格の三拍子そろった輸入材に主役の座を奪われ続け、木材自給率は30%を割り込んでいる。国有林も民有林も大半が経営的には厳しく、実質的な『破たん』状態といわれる。経費倒れで切り出せない地域も多い。元々急峻な地形、経営の細分化などのハンディがあり、どうするかは長年の課題だった。
▼政府の新成長戦略の中に「森林・林業再生プラン」が盛り込まれた。国産材を活用した木造住宅振興と中山間地域の活性化を図るものだ。森と木材はCO2を吸収・固定するだけでなく、水源をも守る。これを経済価値として評価すると、山林再生の可能性も相当高まる。森や山のことを、もう一度考えてみたい。













