高齢者住宅(サービス付き)の供給促進 国交省予算と税制要望 エコポイントは延長・拡充
住宅新報 2010年9月7日 号 1面
国土交通省の11年度予算概算要求と税制改正要望が発表された。住宅政策では「高齢者対応」や「環境配慮」、「優良な新築や中古・リフォーム市場の活性化」が、都市政策では「大都市の国際競争力強化」が重視されるなど、5月にまとめた成長戦略を前面に押し出す内容となっている。
住宅の高齢者対応では、介護や医療などのサービスが付いた高齢者住宅の供給促進が一大課題だ。国交省は、サービス付き高齢者住宅を法律上位置付け、登録制度を創設するため、厚生労働省と共管する高齢者住まい確保法の改正案を11年通常国会に提出する予定。概算要求では、そうした住宅の整備費を補助する事業などに350億円を要求した。要求額は前年度比2.19倍となっている。
整備費の補助制度は、今年度に高齢者等居住安定化推進事業の特定部門として行っている生活支援サービス付き高齢者専用賃貸住宅への補助制度と概ね同様の制度で行う。住宅は戸当たり100万円を上限に、生活支援施設は一施設当たり1000万円を上限に助成する。対象となるサービス要件は現在、厚生労働省と内容を詰めている。
高齢者等居住安定化推進事業は8月に10年度第2回の募集を行ったところ。4月に行った第1回募集では、生活支援サービス付き高齢者専用賃貸住宅約5000戸に補助を行ったという。
また、税制改正でも同住宅への優遇を要求した。これまで、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)に行っていた所得税や法人税、固定資産税、不動産取得税の優遇措置の対象要件を拡充。サービス付き高齢者住宅供給促進の観点から、サービス提供の場となる食堂や浴室などの共同部分を加味した床面積要件とする。
前原国交相は以前から、「医住近接」の重要性に言及しており、こうした補助制度や税制優遇を通じて供給を促進したい考えだ。
環境配慮では、住宅エコポイントの延長・拡充がメーン。330億円を要求している。
住宅エコポイントは、09年度2次補正予算に基づく経済対策として3月にスタートした事業。7月末までに、100億円を超えるポイントが発行されている。現行では、12月末までの着工を期限としているが、これを1年間延長。11年12月末までとする。併せて、ポイント発行対象を拡充。現行制度で対象にしている環境に配慮した新築やリフォームと合わせて、高効率給湯器やソーラーシステムなど省エネ性能のある一定の住宅設備を設置する場合はポイントを付与する。なお、制度拡充は11年4月からになる見通し。
経済対策として始まった事業関連では、フラット35Sの優遇金利制度延長のためにも365億円を要求した。12月末までを申込期限に行っている、省エネ性や耐震性、バリアフリー性に優れた住宅を購入する場合、当初10年間のローン金利を1%引き下げる措置を11年度にも行う。11年1-3月への措置は、9月10日に決定予定の追加経済対策で対応することなどが考えられる。(2面に関連)
中古・リフォーム市場の拡大へは、中古流通やリフォームに併せて、瑕疵保険加入や履歴情報の整備を行う事業への補助などを盛り込んだ。今年度から同様の事業「既存住宅流通活性化等事業」がスタートしており、金額ベースで900億円超の応募があった。11年度は、予算面も考慮し、既存流通を伴うものを中心に補助する考えだ。
また、中古・リフォームに関する税制では、バリアフリー・省エネリフォーム工事費用の10%を所得税から控除する税制優遇の延長▽住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税軽減の延長--などが盛り込まれた。
そのほか、住宅政策関連では、木造の長期優良住宅の整備に対する助成や、住宅や建築物の耐震化への助成事業(2面に関連)などを盛り込んでいる。(2面に続く)住宅需要喚起と流通促進
住宅・不動産団体税制改正要望
住宅・不動産業界団体は11年度税制改正要望をまとめ、国土交通省や政府与党など関係方面に提出、本格的な要望活動を展開する。内容は住宅需要の喚起や、都市再生・投資市場育成のための税制の延長、拡充が大半だ。不動産協会は都市再生と住宅、全国宅地建物取引業協会連合会は良質な既存ストック形成、全日本不動産協会は不動産流通促進、日本住宅建設産業協会はローン減税の面積要件緩和、住宅生産団体連合会は住宅需要の促進をメーンに掲げた。内需の柱である住宅・不動産市場活性化のための具体策を求める。













